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Angry Alligator ワニワニ大冒険 【あんぐりーありげーたー わにわにだいぼうけん】 ジャンル アドベンチャー 対応機種 Nintendo Switchプレイステーション4 発売・開発元 goGame 発売日 2021年12月2日 定価 4,180円(税込) プレイ人数 1人 セーブデータ 4個 レーティング CERO B(12才以上対象) 判定 クソゲー ポイント なんちゃってオープンワールドもどき画面酔い酷すぎ根本的にボリューム薄すぎ 概要 システム 問題点 評価点 総評 概要 海外製の3Dアクションゲーム。プレイヤーはワニとなるという珍しい視点が特徴。 しかし、視点の独自性を活かせていないどころか、かえって足かせにしかなっていない酷い完成度となってしまった。 タイトルについては、パッケージでは大文字となっているが、商品の説明ページではSwitch/PS4版ともに小文字となっている。 ここでは商品の説明ページの表記に準じている。 システム プレイヤーは、とある島のワニとなって島のあちこちを巡って獲物を食べながら成長していくことになる。 一応「ワイズクロコ」なる長老的キャラからミッションを受けてシナリオを進めることになる。 プレイヤーのアクションは、「噛みつき」と「テールアタック」。噛みつきで獲物を捕食しつつ、テールアタックで障害物を壊していく。シナリオを進めると特殊能力も得られるが……(後述)。 体力は空腹度ということで常時減少していく。ただ、ちゃんと獲物を適宜食べていけばそこまで気にする必要はない。 問題点 画面酔いがあまりに酷すぎる 。本作をプレイしてまず目につく最大の問題点。 画面酔いは3Dゲームにはどうしてもついて回る問題ではあるが、本作の場合「ワニ視点を再現する」ということに重点を置きすぎており、とにかく低い視点でガクガクと這いずり回る、という人間のプレイヤーのことをまるで考慮していない酷いカメラワークになってしまっている。 カメラ操作の融通も2021年のゲームとはとても思えないほど劣悪。水中で上下視点を動かそうとするとどっちを向いているのかさっぱりわからなくなることもしばしば。 オープンワールドっぽいシステムにはなっているが、全く活かされていない。 単純に、舞台が島一つだけと狭いのはまだいいとしても、環境が砂浜、森、沼、牧場ぐらいしかなく変わり映えがしない。リアルと言えばリアルだが、ゲームなんだから火山とか砂漠とかを混ぜるケレン味があっても良かったのではないだろうか? これに前述のカメラワークのマズさもあり、マップ機能自体は完備されているのに頻繁にどこに向かえばいいのか迷う。 敵のバリエーションが乏しく、序盤から出てくるドローンが最後まで最強の雑魚敵である。人間やクマは序盤はそこそこ手強いが、ちょっと鍛えるとあっという間にひと噛みで抹殺できるようになってしまう。 ドローンだけは異様に強く、逃げ回ってもどこまでも追いかけてきて蜂の巣にしようとしてくる。草むらに隠れれば逃げられる……と説明されているが、そもそも隠れられる草むらがマップ上にろくにない。 本作では敵の強さ以外に特に明確に進行範囲を制限する要素はないため、序盤からマップのどこにでも行けてしまう。そのため、オープンワールドにありがちな「この場所にはどうやったら行けるようになるのだろう?」的なワクワクは一切ない。 収集要素が少なすぎる。コレクションアイテムや世界観を補完する日記ぐらいで、集めることでゲーム進行が有利になるものは皆無。 本作の成長要素は経験値を集めてのレベルアップしかない。そのため、「強力な装備や能力を集めて究極のワニを作り上げる」的な楽しみはできない。 見た目を変えられるアクセサリーはあるが、頭にしか装備できないし、獲得条件は「レベルアップ」のみ。せっかくのコレクションアイテムに装備品は一切ない。 特殊能力の使い道がない。 シナリオ進行で4つの特殊能力を獲得できるが、「加速」ぐらいしかまともに使える場面はない。 特殊能力を獲得することで進行できる範囲が広くなる、などということもなく、習得したあとは特段使わなくても先に進めるため影も薄い。 ストーリーが雑。 アクションゲームに複雑なシナリオを期待する必要もないだろうが、それにしても一応は「アドベンチャー」を名乗る割にはシナリオのクオリティが低い。 明確な名有りの登場人物は長老的ポジションの「ワイズクロコ」ぐらいで、ライバルキャラなどもいないので世界観の薄さが半端ない。 最初のプロローグでは「島にはびこる人間を倒そう」的なガイドをされるのに、結局人間のボスキャラは登場せず、中ボスはサメ、ラスボスはワニと、そもそものシナリオの根幹設定が混乱している。 一応「人間が島の動物を改造して生物兵器にしようとしている」という設定ではある。 マップの狭さもあり、画面酔いさえ克服できればラスボス撃破までの推定プレイ時間はせいぜい4〜5時間程度。一応言っておくと、本作は ロープライスのダウンロード専売ゲームではなく、ミドルプライスのパッケージゲームである。 前述のように、コレクション要素も乏しく、ひたすら雑魚を食いまくって経験値を貯めるぐらいしかやり込める要素はない。 バグも多い。画面に文字が残り続ける、明らかな当たり判定付け忘れと思しき貫通するオブジェクトが多数存在するなど。 Switch版の初期はフリーズバグが多発しており、とても遊べるものではなかった。一応現在は更新でマトモにはなっている。 PS4版では獲得条件が不明なトロフィーがあり、トロフィーコンプ不可とされている。 起動時のロード時間がかなり長い。ただ、オープンワールドなのでゲーム中にロードがないのはまだ救いか。 評価点 特にない。無理やり挙げるとしても…… グラフィックはアメリカンカートゥーン風で、極端なクオリティの低さはないが、際立って褒めるほど良くはない。 音楽はそこまで悪くはないが、シチュエーションで切り替わることがほとんどなく終始似たような曲調である。 レベルアップのペースはそこそこ早いため、強くなった実感はある。 総評 意外とありそうであまりない「ワニになって冒険するアクションアドベンチャーゲーム」である。 ただ、その着眼点のユニークさは褒められるが、それを無理矢理活かそうとした結果、どうにもプレイしづらい作品になってしまっている。 そもそものボリュームの薄さに加えて、アクションゲームとしても特別評価できる点もないため、「どうしてもワニになってみたい」という人以外には勧められない。
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エナジー 【えなじー】 ジャンル アクションアドベンチャー 対応機種 PCエンジン 対応機種 Huカード 発売元 メサイヤ 発売日 1989年4月19日 定価 5,200円 プレイ人数 1人 配信 プロジェクトEGG 2015年12月15日 判定 クソゲー ポイント 粗悪な操作性粗悪な謎解き要素 キケンがいっぱい! の看板に偽りなし 記事作成者は、オリジナル作である『アッシュ』(PC-8801)は未プレイです。あくまでPCエンジン版『エナジー』についての評価となります。 概要 ゲーム内容 問題点 評価点 総評 概要 1988年にPC-8801用に発売された、クエイザーソフト製作『アッシュ』の移植作。 超能力を使える主人公が、大地震により壊滅した近未来の東京を舞台に、怪物たちと戦うアクションアドベンチャー。 ゲーム内容 大地震により壊滅状態となった東京。その地下から突如現れた謎の怪物に対し、超能力を操る集団・討魔隊の主人公が、先に向かった最強メンバーの「こういち」「メガネ」「モモコ」の3人の行方を追いながら、戦いを繰り広げる。 1画面固定タイプのサイドビュー型アクションゲーム。フィールドはいくつかのエリアに分かれており、エリア内は上下左右の通路を通ることで画面がスクロールし、先へ進めるようになっている。 フィールドには様々な障害やギミックが用意されており、入手したアイテムの使用や中ボスの撃破などにより、先のエリアへと進むことができる。 主人公は超能力によるショットで敵を攻撃する。途中の宝箱や仲間などから入手できるパワーアップアイテムにより、威力や連射速度を高めたり、弾道の向きを変えたりすることができる。 主人公には体力ゲージとESPゲージがあり、体力ゲージが尽きるとゲームオーバーに、ESPゲージが尽きると、しばらくの間攻撃ができなくなる。 各ゲージは途中で手に入る薬やイベントによって回復が可能である。またESPゲージは主人公が動かずにその場で待機することで徐々に自然回復する。 よってESPの回復薬はほぼほぼ不要であるが、薬の出現場所は一定のポイントで固定されており、体力・ESPどちらの薬が出てくるかは運次第のため、なかなか体力回復ができないまま力尽きることもある。 途中で入手するイベントアイテムやパワーアップアイテムは、メニュー画面で選択することにより使用することができる。 ゲームオーバーによるコンティニューやパスワードといった復帰要素はなく、即タイトル画面へと戻され、一からやり直しとなる。 問題点 問題だらけの操作性 オープニングデモ後に主人公のネームエントリーができるのだが、まずここのキーレスポンスや操作性が非常に悪く、思うように文字を打つことができない。ゲーム開始前からいきなり躓くという、先行き不安なスタートである(名前を付けることによるゲーム内容の変化はない)。 ジャンプ時には空中で十字キーの操作が出来るのだが、ここでのキーレスポンスも非常に悪く、独特の慣性が働くために、思うように主人公を操ることができない。先述のネームエントリーと併せて、コントローラーが故障したのかと不安になるほどの粗悪さである。 ショットは射程はそれなりにあるのだが、敵キャラへの命中判定が一切表示されないほか、ショットを連射していると、たまに弾道が敵キャラを通過することがあるため、ショットがちゃんと命中しているのかが分かりにくく、ストレスの要因になる。 敵キャラや攻撃に接触すると、一定のダメージを受け一時的に硬直状態となる。硬直状態の間は無敵なのだが、敵キャラに囲まれてしまった状態だと、硬直明けにさらに攻撃を受けることになってしまうのも難点。 ゲーム序盤から蔦や柱を渡る操作が要求されるが、画面表示と蔦や柱の座標が微妙に狂っており、ジャンプの操作性の悪さと併せて、慣れるまではかなり苦労させられる。 メニュー画面でのアイテム選択も、キーレスポンスが非常に悪いため、不快感をさらに増すことになる始末である。 粗雑なグラフィック 崩壊した都市や洞窟などの描写が、PCエンジンとは思えないほど雑である。 キャラのグラフィックも難ありで、主人公をはじめ人物の見た目はおよそプロの作ったものとは思えないほど下手。同時期に『シュビビンマン』を発売していたメサイヤ製とは考え難い出来栄えである。 敵のデザインもイマイチなだけでなく、片手で数えるほどのパターンしかないのも厳しい。 ストレスの溜まるシステム エリア内の移動は、1画面ごとにスクロールするのだが、このスクロール速度が非常にゆっくりで、ゲームのテンポを阻害している。ゲームの構成上同じルートを何度か往復する事があるため、尚更ストレスを溜める仕様となっている。 画面内の敵をすべて倒さなければ先に進めない場所が多いが、敵を全滅させても数秒間は先に進む通路の障害物が消えないため、さらにゲームのテンポを悪くしている。 前述の通り、ゲームの構成上同じ場所を何度か往復する中で、同じ特殊イベントが繰り返されてしまう。その都度、初対面かのように同じセリフを何度も聞かされるため、ゲームを進めていく上で邪魔なことこの上ない。 前述した蔦や柱などの座標が曖昧な点や、ダメージを受ける箇所が分かりづらい地底湖や溶岩地帯、途中で出現する謎のジャンプ台(?)やワープゾーンが判別し辛い上にほぼノーヒントであるなど、ギミック面においても難点が多く、問題だらけの操作性と相まって、アクションゲームとして破綻に近い状態といえる。 コンティニューやパスワードといった復帰要素はなく、ゲームオーバーになったら強制的にタイトル画面へ戻り、一からやり直しになるのもキツい。また、オープニングデモは飛ばす事はできるが、中途半端な場面までしかショートカットできないという始末の悪さで、難儀なネームエントリーからやり直さなくてはならないなど、再プレイする意欲が削がれる要因となってしまっている。 とはいえスムーズに行けば1時間ほどでクリアー出来てしまうほど、ゲームのボリュームとしては少ない。 不条理な謎解き・演出 アドベンチャー要素として登場するいくつかの謎解き要素が、どれも中途半端なほか、演出面にも難があるため、ゲームのつまらなさをさらに増幅させている。 + 以下、ネタバレ•長文注意 ゲーム前半に登場する地底湖のような場所は、飛び込んだだけで即ゲームオーバーとなるのだが、ノーヒントのため罠に陥りやすい。 ひとまず別ルートを通ると、善良なモンスターからアイテムを貰い、地底湖まで戻って使用する事でモンスターの母親が現れて、向こう岸へ運んでくれるのだが…。 攻略上、このルートは最低でも2回、多くて3回は通る必要があるのだが、同じセリフを繰り返し聞いた上に、遅いスクロールの画面を数回移動しなくてはならないため、ゲームのテンポが尋常ではなく削がれてしまう。 そもそも善良なモンスターがいるという設定自体が、やや強引といえるようにも思うが…。 地底湖を渡りきると、モンスターの母親から別れ際に「この下にあなたの仲間がいる」と言われる。この先のエリアを下った場所にいるのかと思いきや、本来飛び込むと即死するはずの地底湖が、なぜか左端の箇所だけは飛び込むことができ、文字通りすぐ下に、仲間の一人である「こういち」がいる。 よく見ると、地底湖の左端に渦を巻いているグラフィックがあるのだが、これを「飛び込んでも大丈夫」とするサインにしては少々強引であり、さらにモンスターの母親のヒントがやや微妙なため、見落としてしまいがちである。 さらに先へ進むと、3体の謎の物体が上下動するエリアがある。何をすればいいのか分からず、とりあえず辺りをウロウロしていると、突然主人公がとんでもない跳躍を見せ、上空へと上昇していく。 どうやら謎の物体に向かってタイミングよくジャンプする事で、上空へと上昇するギミックのようだが、ほぼノーヒントかつ上記のシステム面の問題から発動条件が分かりにくく、さらに上昇中に障害物にぶつかると降下を余儀なくされるなど、ここでも操作性やシステムの問題に直面する。 障害物をかわして頂上までたどり着き、その場にいる人たちに繰り返し話しかけると、なぜかその辺で拾った「アンモニア水」を渡される。アイテムを頂上への画面の途中にいる見張りらしきモンスターの前で使うと、先に進めるようになる。当然、これらもノーヒントである。 また、同じく頂上へ向かう途中には「オギノメユキコ」なるアイドル歌手がおり、話しかけるとその場で歌と踊りを披露され、BGMの変化と同時に体力が全回復するという超展開が発生する。この時点での体力回復はありがたいが、回復の際はゲージが一旦ゼロに戻り、徐々に回復していくという謎のシステムで、ここでもテンポの悪さを露呈してしまっている。 一旦BGMが変わると、そのエリアにいる間は全く緊張感のないファニーなBGMがそのまま続くという、何なんともシュールな状況が発生する。 そもそも、いち人気アイドルのパフォーマンスで体力が全回復するという設定がぶっ飛んでいる。超能力者なのだろうか? さらに先へ進むと、仙人と名乗る老人から「モモコにメガネを貸した」「この先の敵がなんとかのもとというアイテムを持っている」というヒントを得られるが、この先の溶岩地帯の最深部まで行っても、ここまでノーヒントの「あくのペンダント」を入手するだけである。 ちなみに溶岩地帯は時間経過で体力値を消耗するため、突入してすぐに手に入る「エジソンバンド」を装着しないと、あっという間にゲームオーバーになる。 さらに仙人のいる画面の手前では、原因不明のダメージを受けてしまう箇所が存在する。持っているアイテムも役に立たず、大概はこの辺りで行き詰まってゲームオーバーになってしまうのだが…。 実はここから一旦スタート地点まで戻り、そこからさらに逆方向へと画面を進めることで、先に進めるようになっている。当然ノーヒントなのでなかなか気づきにくいのだが、そもそもスタート時の主人公の向きが右方向というだけで、逆方向へ進めないとは言及されていない。だが、仙人のヒントを聞く限りでは、仙人のいる先のエリアにモモコがいて、謎解きのアイテムを貰えるものだとミスリードしがちであり、ここで行き詰まるプレイヤーが多発するのも致し方ないと思われる。また、これまで通ってきたルートを戻るというのもかったるく、遅いスクロールやなかなか消えない障害物にうんざりしつつ、あまりに意表を突いた謎解き要素のため、先に進めた時のモヤモヤ感も拭えない。 スタート地点へ戻り逆方向に進むと、先ほどのジャンプ台のような得体の知れない物体がある。これに触れると、なぜか異世界へと飛ばされる超展開が発生する。その先の中ボスを倒すと、モモコが現れ仙人のメガネを渡される。 ここからまた仙人のいる手前の地点まで移動しなくてはならない。これまで通ってきたルートを(略)さらにはモンスターの母親による初対面のような変わらないセリフが、プレイヤーのやる気をどんどん削いでいく。 ようやく仙人のいる場所まで戻り、先ほど原因不明のダメージを受けていた場所でメガネを使用すると、それまで見えなかった敵が出現。倒すと先へ進むことができ、またも謎の物体により異世界へ飛ばされ、中ボスを倒す。 ここから更にスタート地点の逆方向へと戻り(!)、先へと進むとようやくラスボスとの対決となる。 ここでようやくオープニングで手渡された秘密兵器が役に立ち、仲間の力も借りてラスボスを撃破するのだが…。 エンディングは主人公、こういち、モモコの一枚絵が現れるのみで、スタッフロールも出ないまま、呆気なく終わる。 ここまでのゲーム内容から薄々察しはついていたが、あまりの演出のショボさに、これまでの苦痛やモヤモヤは解消される事なく、ただ徒労感と時間の無駄だけが残される結果となる。 なお、ここまでに数体の中ボスとの戦闘や、ラスボスとの戦闘が起きるのだが、大抵は安全地帯からESPを切らさないようにショットを連打するだけで、いとも容易く倒すことが可能であるため、エンディングの達成感はさらに削がれる結果となる。 評価点 これだけ酷い出来の作品だけに、なかなか見出すのは難しいが、強いて言うならパッケージデザインが割とよく仕上がっている点。 揃いの戦闘服を身につけて、男女4人組が今まさに冒険に出ようとする気概に満ちたグラフィックだが、ゲーム内容との落差が非常に激しいため、いわゆる「ジャケ買い」により地獄を見る羽目になってしまいかねない。 ジャケットに記載された「キケンがいっぱい! ESPアドベンチャーゲーム」のコピーは、ある意味でこのゲームそのものが危険な存在である事を暗喩しているのかもしれない。です 総評 劣悪な操作性と、いまいちスッキリしない謎解き要素、そこにグラフィックやシステム面、さらには演出面の粗悪さが混ぜ合わさり、およそゲームと呼ぶには難のある、まさにクソゲーと呼ぶにふさわしいソフトである。 そもそも正義の味方の最強メンバーが「こういち」「メガネ」「モモコ」というのもやや幼稚であり、途中に登場するモンスターも自ら「かいじゅうくん」と名乗ったり、全体的なセリフの言い回しなども含めて小学生を対象にした構成のように見受けられる。 それにしては、劣悪な操作性と、ノーヒントかつ解いてもモヤモヤ感の残る謎解きなど、小学生に解かせるにはハードルが高すぎるのではないだろうか。 もし今後見かける事があっても、ジャケットに釣られてプレイする事のないように警告しておく。時間を無駄に過ごしたいという、奇特な悪食ゲーマーのみプレイすることをお勧めする。
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DEVIL S THIRD 【でびるずさーど】 ジャンル シューティングアクション 対応機種 Wii U プレイ人数 1人 開発元 ヴァルハラゲームスタジオ 販売元 任天堂 発売日 2015年8月4日 定価 パッケージ版:7,236円ダウンロード版:3,618円 レーティング CERO D(17才以上対象) 備考 パッケージ版はAmazonでのみ発売オンラインモードは2016年12月29日にサービス終了 判定 なし ポイント TPSと『NINJA GAIDEN』のチャンバラアクションが融合『NINJA GAIDEN』譲りの高難度とハードな描写は賛否両論 概要 ストーリー 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 その後の展開 戦場のリアルがいま幕を開ける。 概要 かつてテクモ(*1)に在籍し、『NINJA GAIDEN』や『DEAD OR ALIVE』等の名作を世に送り出して来た板垣伴信氏をはじめとした元Team NINJAのスタッフで構成される「ヴァルハラゲームスタジオ」製作のソフト。 元はTHQよりPS3/360向けに製作されていたのだが、2012年にTHQが倒産し、ヴァルハラゲームスタジオが本作の著作権と販売権を取得。そして2014年6月のE3において任天堂よりWiiU専用ソフトとして発売されることが発表され、翌年の8月4日に発売となった。 TPSのスタイルを踏襲していながらも刀や格闘などの近接攻撃のアクションにも比重がおかれたシステムになっており、遠距離では銃撃、近距離では格闘と状況に応じてシームレスに戦い方を切り替えることが出来るようになっている。 ソロプレイとオンラインプレイの2つのモードからゲームを遊ぶことが出来るが、オンラインプレイはサービス終了済みとなるため、本項ではソロプレイモードに沿って解説を行う。 ストーリー テロリスト「スクール・オブ・デモクラシー(SOD)」の攻撃によって大混乱に陥った世界。アメリカ政府は一人の男に事態の収集を依頼した。その男の名は"アイヴァン・ザ・テリブル"。かつてSODに所属していた、元テロリストだ。アイヴァンは世界の危機を救うため、かつての仲間たちに立ち向かう。その中で見えてくるこの戦争の真実とは…?そしてアイヴァンの過去とは…? (公式サイトより引用) 評価点 軽快なレスポンス 技のレスポンスは良好で、複雑なコマンドを入力しなくてもボタン連打で簡単にコンボを繋げることが出来る。上記した『NINJA GAIDEN』や『DEAD OR ALIVE』などアクション/格闘ゲームのノウハウが活きていると言えよう。 銃撃/格闘の切り替えはそれぞれの攻撃ボタン(*2)を押すだけでシームレスに切り替わるため、ここでは銃撃、ここでは格闘と目まぐるしく変わる戦況の中でも瞬時に戦闘スタイルを切り替えて攻略することが出来る。 プレイヤーキャラとなるアイヴァンの機動力も高く、ダッシュやスライディングなどを駆使したハイスピードでテンポのいいアクションが楽しめる。 高い戦略性 上記したシステムもそうだが、武器自体の種類も銃器では連射速度の速いサブマシンガン系から射程範囲の長いスナイパーライフル/ミサイル系、近距離でも攻撃速度の速いククリナイフから一撃必殺のスレッジハンマーまで幅広いバリエーションが揃っており、カバーポジションを駆使して遠くから一体ずつ安全に処理していくスタイルと、思いきって敵陣に突っ込んでいわゆる「ランボープレイ」するスタイル、『NINJA GAIDEN』のように近距離攻撃メインで戦っていくスタイルと幅広いプレイスタイルで楽しむことが出来る。 クリア後に解放されるスコアアタックモードでもそれぞれのプレイスタイルに対応したボーナス点が用意されており、どのプレイスタイルでもハイスコアを目指すことが出来るようになっている。 個性的なキャラクターと豪華な声優陣 主人公アイヴァンは上記したように「元テロリスト」という肩書きと「禁固850年」という刑罰を受けているという設定に加えてサングラスを掛けたスキンヘッドで全身に「耳なし芳一」を彷彿とさせる梵字のタトゥーを施した強烈なキャラクターデザインといかにもアレな出で立ちをしているが、ゲームを進める事に彼の一人の弟子や仲間たちへの想い、そして彼自身の葛藤などアイヴァンの人間味が描かれるシーンが挟まれ、彼の本来の人間性を垣間見ることが出来る。 また、元ロックミュージシャンという設定でもあり、オープニングからドラム演奏を披露するも、牢獄の電源が非常用になったことで自慢のスピーカーの音が台無しになったことに不満を漏らしたり、道中手に入る報酬の楽器の説明文で楽器の音色などに深い興味を感じていると言う主旨が書かれていたりとサウンドにこだわりを持っている一面も描かれている。 アイヴァン以外にもいかにも肉体派なのに理系なビッグマウス、戦闘開始時に着物姿からボンデージスタイルに早変わりするジェーン・ドゥ(*3)、アイヴァンに任務を依頼する「(いわゆる軍事ものにおける)いつもの上官キャラ」と思わせておいてゲーム後半にて自ら空挺部隊の先陣を切ってアイヴァンをサポートするキャラウェイ長官等、ひと味違ったキャラクター達が揃っている。 この個性的なキャラクター達を演じる声優陣もアイヴァン役の石塚運昇氏を始めとして、玄田哲章氏・田中敦子氏・三宅健太氏など実力派が揃っており、いずれもキャラクターの個性にマッチした快演ぶりでストーリーやゲームパートを盛り上げてくれる。 収集要素 各ミッションにはそれぞれ楽器・エンブレム・お酒・おみやげ・パンフレット・戦地の背景情報とそれぞれ1つづつ、計六つの戦利品が隠されている。 これらを集める事はもちろん、メニュー画面から見られる説明文もなかなか読みごたえがある。 トライ エラーのストレスが少ない 本作はチェックポイントが多く、死亡しても大抵倒れた地点の直前からのスタートになるため、ゲームオーバーに対するストレスやリスクが比較的少なくなっている。 ロード時間もそこまで長くなく、ロードが完了したらすぐに動けるようになる。馴れないうちはよくゲームオーバーになりがちな本作では有難いシステムである。 賛否両論点 高い難易度 やはりこの部分のゲーム性も『NINJA GAIDEN』から引き継いでいるのか、難易度は総じて高い。 道中は幅広い戦闘スタイルを駆使すればそうでもないのだが、問題はボス戦で、いずれのボスも攻撃力や機動力が高く(*4)、油断すれば本当に一瞬で沈められてしまう。 道中は基本仲間と一緒に進むため危なくなったら安全なところに退避して攻撃を仲間に任せるという手法が通用するが、ボスは基本アイヴァン一人で戦う事になるため、その手法は通用しない。 とりわけ3面ボスのグルンドラ・シャハは、アイヴァンの格闘面の師匠という設定に違わずすさまじいスピードの接近戦と巧みなククリナイフ捌きで多くのプレイヤーにとっての最初の壁になり得る強敵となっている。また最終ステージのボスの一人であるリュドミラ・カレーニナも姿を消しながら変則的かつ素早い動きでプレイヤーを翻弄する強敵になっている。 ただいずれのボスも攻撃バターンと回避方法をしっかり頭に叩き込んでいれば割りとあっさり倒せるようになっている。ボスの中には「集団戦→一騎討ち」といくつかのフェイズを持ったボスも存在するが、フェイズが切り替わる事にチェックポイントが入るため、諦めずに戦えばいずれ勝機は掴めるだろう。つまるところ「難しいのなら出来るようになるまで頑張れ(*5)」である。 任天堂のソフトらしかぬ表現の数々 (とりわけWii以降の)任天堂はいわゆる「ファミリー向け」だったり「万人向け」だったりというイメージが強く、そうした中での本作は同じWiiUにて新たに任天堂ファミリーの一員となった『ベヨネッタ』と共にかなりの異彩を放っている。 具体的には暴力・ゴア表現の多さ(海外版では欠損描写もある)、少なくとも任天堂キャラの中では類のない (*6)主人公アイヴァンの強烈な容姿、テロリストに支配された銃弾飛び交う暴力的な世界観などが挙げられる。 またいわゆる「口の悪い」キャラクターも任天堂のゲームにしては多い。特に一面ボスの「モロトフ」が顕著。 これを「新鮮」と肯定的に捉えるプレイヤーも居れば、「こんなの任天堂じゃない…」と拒否感を示すプレイヤーも居てまさに賛否両論。 ただし、任天堂自身もこれまでの任天堂に染み付いていた固定観念を打ち破りたいという考えがあり、このような描写は任天堂も割と狙っていたという背景が板垣氏への公式インタビューにて語られている。 過去にも出血描写や切断表現を含む『斬撃のREGINLEIV』のような例も無かった訳ではない。 また、サードパーティー製ソフトで言えばPS2版よりも表現が過激なGC版『killer7(*7)』や、ゴア表現満載だったWiiの『マッドワールド』に加え、麻薬取引やグロ演出もほぼ規制無しで発売したDSの『Grand Theft Auto Chinatown Wars』等が任天堂ハードで発売されており、過激なソフトが自社ハードで出る事には寛容な任天堂の姿勢が窺える(*8)。 問題点 演出面 本作はUnreal Engine 3を使用しているのだが、元々ベースが古い作品故か、グラフィックがWiiUソフトにしてはやや粗い。言うならばXbからPS3中期ぐらいまでの間と言った所か。 ただし主人公のアイヴァンをはじめとした主要人物のキャラグラフィックはなかなか綺麗に描かれている。 効果音もそこそこ気持ちいいものの若干軽く、チープさが目立つ。 不安定なフレームレート 最大60fpsなのだがかなり変動が大きい。爆発など派手なエフェクトが表示されたときはかなりガクガクになる。 恐らくミッションの途中でロードを挟まないように常に裏でロードを行っているためだと思われる。ちなみに処理落ちの割りにレスポンスの遅延はそこまで酷くない。 ボリューム不足感 ストーリーモードは普通にプレイして10時間程度。ただし本作は上記したように難易度が高いためアクションゲームが苦手な人はもう少しかかると思われる。 総評 ありそうでなかった「銃撃と近接攻撃を使い分けて戦う」というシステムはシューティングとしてもアクションとしても新鮮なプレイスタイルを実現している。 高い難易度や過激な表現など人を選ぶ部分も多く、下記する事情もあって色眼鏡に見られがちなソフトだが、ハイスピードで緊張感のあるアクションシューティングを楽しみたい人、『NINJA GAIDEN』のような苛烈な難易度を求めている人ならおすすめできるソフトである。 余談 初めに断っておくと本作は日本国内での評価及び海外の一般のゲーマーからの評価は概ね良い。 しかし、メタスコアをはじめとした海外のプロのゲーム評論家からはかなり手厳しい評価を下されており、「Atomix」に至ってはわざわざ「kusoge(クソゲー)」と日本語で言い放っている。 恐らく粗いグラフィックとかつて板垣氏が手掛けた『NINJA GAIDEN』シリーズからの期待が影響しているのだと思われる。悲しきかなこの評論家達の影響力は国内外ともに大きく、ネガキャン記事も多数作られてしまう事態になってしまった(参照)。 ただ、あくまでゲームを始めとした娯楽作品は自分が面白いと感じられるかどうかが重要であり、良作・駄作問わず評論家のレビューだけで作品を評価するのは些か滑稽であるといえるだろう。 板垣氏は本作発売の数年前から、ある意味伝説となっているゲームメーカー「カルチャーブレーン」のスレに頻繁に書き込んでいる(参照)。 加えて、ゲーム内にも大量のカルブレネタが仕込まれている為、カルブレは本作の独特な世界観に大きな影響を与えてる…かもしれない(参照)。 さらに、本作に登場する女性キャラクターの1人である「アナスタシア」の初出は、なんとカルブレスレである(参照)。 5ch(当時の2ch)の『DEVIL S THIRD』本スレでもカルブレスレのネタが輸入されるほど影響を与えており、「カルチャーたなか」と名乗るトッププレイヤーもいた。 主人公の「アイヴァン・ザ・テリブル (Ivan the Terrible)」のコードネームと同じ愛称を持つ人物が実在していた。 その人物はかつてのロシアの君主・イヴァン4世(1530年-1584年)。日本でも「雷帝」と称される人物で、その極めて苛烈な性格から英語圏にて「恐怖のイヴァン=Ivan the Terrible」と呼ばれ恐れられていたとのことである。 オープニングにてミッションの報酬としてこれまたアイヴァンと同名のアコースティックギター「Ivan the Terrible」が登場する。 ギター演奏者及びマニアの間で有名なTony Zemaitis氏が1969年に製作した12弦のアコースティックギターで、劇中でも見られるハート型のサウンドホールが特徴的である。 世界3大ロック・ギタリストの1人であるエリック・クラプトン氏が所有していたことでも知られ、オークションにておよそ3,000万円もの高値で取引された知る人ぞ知る伝説のギターである。 ドラムの演奏が上手くいかずイライラしていたアイヴァンも、このギターを目にした際に瞬時に笑顔になって「どんな手を使って手に入れたんだ?」とキャラウェイに聞き返している(*9)。 その後の展開 2016年6月8日にネクソンから本作のオンラインモードのみが遊べる『Devil s Third Online』のサービスが開始された。 しかし思うようにユーザーが集まらなかったのか、サービス開始から1年も経たない2017年3月29日にサービス終了してしまった。 その後、同年8月24日に板垣氏がヴァルハラゲームスタジオの代表取締役と最高技術責任者を退任し、最高顧問に就任することが明らかとなった(*10)。 2021年12月25日に本作の開発元であるヴァルハラゲームスタジオはソレイユ株式会社に吸収合併される形で会社組織を解散した。 なお、その後の2023年2月14日にソレイユは本作の流れを汲んだシューティングアクション『Wanted Dead』をPS5/XSX/PS4/One/Winで発売している。
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イノセントライフ ~新牧場物語 【いのせんとらいふ しんぼくじょうものがたり】 ジャンル シミュレーションRPG 対応機種 プレイステーション・ポータブル 発売元 マーベラスインタラクティブ 開発元 アルテピアッツァ 発売日 2006年4月27日 定価 5,040円 判定 クソゲー 牧場物語シリーズリンク 概要 特徴 問題点 評価点 総評 余談 概要 マーベラスインタラクティブ(現 マーベラス)の看板作品「牧場物語シリーズ」の派生シリーズとして企画された作品。従来の「牧物」にはない独特な世界観、有名イラストレーターを起用しキャラゲー色を前面に出していることが特徴で、SFの『イノセントライフ -新牧場物語-』と、ファンタジーの『ルーンファクトリー -新牧場物語-』の二作が発表された。 本作はその「新牧場物語シリーズ」の一作目として発売された。当時、本家シリーズは焼き増しやリメイクが多く不満を持つファンがいたことから、心機一転した本作を期待する動きがみられ、なおかつ開発もドラゴンクエストシリーズ製作に関わっていたアルテピアッツァが担当したことで、順風満帆なシリーズ開始になるかと思われていた。だが、その出来は… 特徴 牧場物語シリーズは牧歌的な雰囲気が支持されてきた作品であるが、本作の舞台は科学技術や古代文明が非常に発達した世界。 牧場は、家畜の世話から出荷など全般に渡って機械化されている。各施設への移動はエレベーターで行う。 問題点 ルーンファクトリーシリーズのようにプレイヤーが任意でシナリオを進められず、基本的に毎週日曜日ごとにイベントが発生する。 ロボット主人公の行動範囲が徐々に広がっていく事になるのだが牧場経営が退屈で間延び要素にしかなっていない。 牧場経営がとにかく退屈の癖に見回り要素がある。 特徴要素でもあるのだが、牧畜も農業もロボットで自動化されている。農業は手動でも可能なのだが、ならば牧畜も毛刈りや搾乳を手動で出来るようにすればよかった。 犬の糞に不具合かと思う仕様がある。作物の上にされると枯れる。 牧畜はシリーズ恒例、放置しすぎると病気になる。ロボットでお世話してるのに。 おかげで日曜日がくるまでプレイヤーがすることは牧畜に声をかける事くらい。ならば街に繰り出して交流を図るのが主目的のゲームなのかと思いきや。 イベントがかなり少ない。 牧場シリーズおなじみのシーズンイベントも数が多くない。全くのゼロではないのだが、そもそも町の人と交流を図る意味もないので参加する意義もあまりない。 それだけでなくシリーズおなじみの恋愛要素もない。…というより、主人公がロボットである都合で友好度システムそのものが存在せず、町の人間と仲良くなるという要素自体がない。勿論プレゼントもない。 好感度による台詞の変化もなく、季節ごとに台詞が少し変わるぐらい。 事情があるとはいえ、拠点たる遺跡(=牧場施設)から町への距離も遠く、交流しに行く理由もないため自然と足が遠のいていく。結果的にイベント以外では自宅で日曜日を待つ事が増える。 作物の使い道が少ない。 プレゼントも無ければ料理の材料としての使い道も無いので、数少ないイベントを除いてはほぼ換金のみの用途。 お金の使い道が少なく、種や農具を買うくらいしかない。 シナリオ進行で用いる花を育てるぐらいが必須項目。 料理の存在価値がない。 人間らしさという要素には関わるようだが、所詮ロボットのため主人公には寄与しない。 釣りの存在価値がない。 一番問題なのが、魚が反応したかどうかがわからない事。適当な時間糸を垂らし、引き上げて釣れてたら良かったね。という話。 レシピの入手が出来るが、魚そのものはすぐ逃がしてしまう。料理も無意味だしプレゼントも無いから良いのだが。 キャラデザも「ドラクエもどき」と言われおおむね不評。同じ新牧場物語としてDSで展開された『ルーンファクトリー』とは真逆の評価となった。 進行不能を含むバグが多い。 特定のイベントをスルーしてしまうとシナリオ進行せず完全に詰みになる要素がある。 フリーズしたりグラフィックが飛んで進行不可能になるバグが起きやすい。 その他、表示上の細かいバグも多数ある。明らかにテスト不足感が漂っている。 操作決定の入力ボタンが○、△、×でバラバラになっている。会話が優先されないようになどの配慮もあるのだろうが、誤入力の原因。 評価点 グラフィックの評価は高い。おそらく牧場物語シリーズの中でもトップクラス。 地域、季節ごとに移り変わる島の景観は美しい。ギミックは少なくゲーム的に面白いとは言い難いものの、観光としては楽しい。数少ない良点。 牧場経営や交流に手がかからない 基本的に機械任せ、自分が最低限しないといけない事は牧畜への会話とシナリオだけで楽。牧場物語における、プレイ時間が伸び作業を簡略化したりサボりたいと思う事はない。 もっともそこまで楽したいならシリーズをプレイするのに向いていないという事にもなるが……。 総評 牧場物語シリーズの新たな展開の一つとして期待されたものの、ボリュームダウンした牧場要素や交流要素、中途半端に制限のかかる冒険パートなど無い無い尽くしで完全に失敗作。 トドメに進行不能のバグがあるなど再現性のある不具合もあり、新展開の片割れたるルーンファクトリーと大きな溝を開けられての低評価となった。 余談 キャラデザ担当は後にあの『オプーナ』を生み出すアルテピアッツァ社長の眞島真太郎である。 後にPS2に移植された。しかし人気が出ることはなく、以降シリーズ展開は行われていない。 一方、『ルーンファクトリー』もバランス荒削りのバグゲーだが、システムはウケたため、牧場物語シリーズから独立して継続中。
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スペクトラルタワー 【すぺくとらるたわー】 ジャンル RPG 対応機種 プレイステーション 発売元 アイディアファクトリー 発売日 1996年10月4日 定価 5,800円(税抜) プレイ人数 1人 レーティング CERO A(全年齢対象)※ゲームアーカイブスで付与されたレーティングで記載 配信 ゲームアーカイブス2007年5月31日/600円(税込) 判定 クソゲー ポイント ひたすら塔を登る戦闘は運ゲーセーブポイントも運ゲー ネバーランドシリーズ 概要 特徴 問題点 評価点 総評 余談 概要 後にコアなファンを作る事になる『ネバーランドシリーズ』の記念すべき第1作。 数多く展開されるシリーズの中では外伝的作品だが、シリーズ世界観の基礎はこの頃から出来ている。 本作はシレンシリーズのようなダンジョン探索型RPG(ただし地形はランダム生成ではなく全て決まっている)で、特に有名なのが、最後に登る事になる10000階の塔『最後の塔』である。 比喩ではなく、真面目に(アイテムでいくつか階層をスキップ出来るが)1万階を登らされる。 特徴 登る塔は最初10階、20階、100階から選択出来、それをクリアすることで1000階、さらにクリアする事で10000階の最後の塔が攻略可能になる。 戦闘はサイコロを振ることで行われる。 出目によりヒット、ミス、クリティカルと結果が変わり、能力が上がるとヒットの出目が増える(1~2だったのが1~5になる等)。 最終的に能力値が上がり全出目でヒットとなると、戦闘が省略され、敵にぶつかるだけで勝利となる。 プレイヤーには職業があり、番号を入力する事で転職出来る。 基本職(10種類)の数字は、ゲーム中で記されたパピルスが手に入る。 上級職は基本職の番号を組み合わせることで転職可能。 例として旅人(95-4300)の番号を二つ組み合わせる(190-8600)事で、案内人になる、等。 問題点 とにかく退屈。このゲームの問題点は概ねこの一言に集約される。 敵とは接触しない限り戦闘が発生せず、また成長要素が低い為、とにかく雑魚を避けてひたすら次の階への鍵を探すゲームになりやすい。 成長したらしたで、敵とぶつかっても即勝利となる為、やはりひたすら歩き回るだけのゲームになる。 戦闘自体もサイコロを使った運ゲーであり、必殺技も成功するかどうかは運次第。 戦略性が低い為、戦闘になったとしてもひたすら退屈な上、敵の攻撃は良く当たる。 ちなみにサイコロ運が絡む為、運が悪いとゲーム開始直後に何も出来ずに殺されて終わる事も普通に起こる。 特技もサイコロこそ表示されないものの、発動するかどうかは運任せ。アイテムを神に捧げて祈る(1個失う)技に至っては、どのアイテムを捧げるか自分で選ぶこともできず、さらに一定の確率でただアイテムを失うだけで何も起こらない。 戦闘中にアイテムを使用できない。その為、回復技が使える職業でない限りは、回復アイテムを持っていても戦闘中に回復が出来ない。 戦闘に勝ってもほとんど成長しない。 正確にはレベルアップもするし、能力値も上がるのだが、いざ戦闘に入ってもサイコロに成長がほぼ見られない。 基本的にはメダルによる能力アップか上級職を目指す事で成長させていく事になるが、敵はどんどん強くなっていくので、成長が追いつかない事が多い。 セーブポイントがランダム ランダムに出現するセーブの像が出ない限りはセーブが出来ない。 その為、運が悪いと1時間以上もセーブできない事も。 さらに、間違ってセーブをキャンセルしてしまうとやり直し不可能で、像は消えてしまう。 RPGでは基本中の基本である「出発前の準備」らしきものが不可能。弱い武器等の余ったアイテムを店に売る・作り変えるといった低リスクの有効活用システムも存在しない。 説明書には最低限の事柄しか書かれておらず、あとはゲーム中の会話で解説される。 評価点 シリーズ全般に言える長所だが、裏設定は凝っている。 後の『スペクトラルフォース』に本作のプレイヤーキャラの職業を思わせる登場人物が多数存在する、ボスキャラにもプロフィールが設定されている等。 プレイを重ねて解禁されていく職業は豊富で個性豊か。凝った衣装のものも多い。 かつて『ゲーメスト』の関連書籍でゲームキャラのコスプレ特集の本が出た時、数ページにわたり本作のコーナー(様々な職業のコスプレ)があった。そこだけ見ればゲーム本編に純粋に興味を持ってしまいそうになる程。 総評 結局は運ゲーになるので戦闘を楽しめない上、戦闘以外の攻略を楽しもうにもひたすら退屈。 さらに、100階ですらきついのに、それをクリアしたら1000階の塔、そして最後に10000階の塔と、苦行者や登塔者でもない限りはまともに最後までプレイすることすら厳しいゲーム。 実はシナリオ的にはそれで正しかったりするのだが、それをゲームにする事自体にスタッフは疑問を感じなかったのだろうか? 『10000階の塔をただひたすら登るゲーム』として、ある方面では有名なゲームだが、うかつに手を出すと時間の無駄遣いというものを実感する事になる。 何故か PlayStation®Networkで配信されているが、軽い気持ちでやるなら「100階の塔をクリアできればいい」程度のつもりでやった方がいいだろう。 余談 ソフト予約特典として「英雄のピンズ」というものが貰えた。またダンジョン「1000階建ての塔」をクリアしてその画面を写真に撮って送ると、先着順で「超戦士のピンズ」が貰えた。さらに「10000階建ての塔」のクリア画面の写真を送ると、「天空戦神のピンズ」が貰えた。 この3つのピンズを組み合わせると「エンブレム」と呼ばれる1つのバッジが完成する。このエンブレムの裏面には、ゲーム攻略の上で重要となる情報が書かれているというのだが…。 このストレスの溜まるゲームで、1万階のダンジョンをクリアしようとする人がいるだろうか? さらにそこまでやり込んだ人なら、大抵の情報は知っているのでは? なおこのピンズ、3つ揃った状態でネットで売られていたりするが、社員が横流ししたのか、それとも本当にクリアした人がいたのだろうか…。 およそ二年後には続編『スペクトラルタワーII』が発売されるが、その内容は…
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ファイトフィーバー 【ふぁいとふぃーばー】 ジャンル 対戦格闘 対応機種 アーケード(MVS/業務用ネオジオ) 販売・開発元 ビッコム 稼動開始日 1994年 判定 クソゲー バカゲー ポイント お前らのようなテコンドー使いがいるか!格ゲーとしての出来は劣悪所々おかしなゲームシステム勝利セリフの誤植は有名 世界中のテコンドー使いが、「テコン王」の名を賭けて戦う格闘ゲーム。だがその実態は… まったくテコンドー た なっとらんわ! 概要 ゲームシステム バカゲー要素 問題点 評価点(?) 総評 その他 概要 『餓狼伝説』のヒット以来、立て続けに対戦格闘をリリースし続けた(業務用)ネオジオを舞台に突如登場した一作。 当時のNEOGEO格ゲーといえば、ファーストパーティであるSNKの作品群がメインであり、それ以外のメーカーから発売された作品は異端の目で見られる事になる。韓国からやってきた本作もその例にもれなかったのだが、肝心のゲームの出来はあまりにも悲惨であり…。 現地版のタイトルは『王中王』。 ゲームシステム 操作は1レバー4ボタン。一見普通の格闘ゲームに見えるが、独特すぎる特徴を多く備える。 立ち通常攻撃は一般的な遠距離、近距離の他に中距離というものまであり、計3種類となっている。 本作では、必殺技は「必勝技」と表記されている。 必勝技を出すと、画面端に必勝技の名前が表示される演出がある。しかも全員漢字表記である…バスケットマンだろうがジェイソンマスクだろうが、誰でも。 そして非常に出しづらい。 体力ゲージが赤く点滅している状態で特定のコマンドを入力すれば発動する「超必勝技」も存在する(*1)。コマンド自体はそれほど複雑ではないがこれまた非常に出にくい。そして、ほぼ全員が乱舞技の系統という代物(*2)である。 どのキャラでクリアしてもエンディングは共通。各キャラの試合終了その後を映したであろう絵がフィルム調に流れ、同時にスタッフロールも表示される。 しかしスタッフロールは全部ハングル(*3)。苦労の末にクリアしたプレイヤーがズッコケたとかなんとか。 攻撃やガードの処理などが色々と変で、他の格ゲーとは明らかに異彩を放っている。 のけぞり中は無敵。 実はのけぞりモーションの最後の1~2フレームのみ喰らい判定があり、タイミングを測れば連続技を作れる模様。 強さに関係なく、相手に攻撃を4回連続でヒットさせると強制的に気絶させる。ただし、一度でもガードされるか、相手にヒット・ガード関係無く攻撃を当てられると気絶カウントはリセット。 攻撃判定が不自然で、どう見ても当たっているような技がスカったり、密着した相手を投げられなかったりする場合がある。 足払いのような、普通ならダウンが取れそうな技でダウンが取れない。逆に立ち強キックのような普通の格ゲーではダウンが取れないような技でダウンが取れたりする。 ダウンを取れない技でKOすると相手が倒れず、そのまま負けポーズを取る。戦う気力が無くなったのか。 昇りジャンプ攻撃を当てると、当てたキャラが強制的に再度ジャンプする。逆にジャンプの下りでジャンプ攻撃を当てると、当てた側はその場で垂直落下する。 ガード方向の切り替えができない。 相手に必勝技を出されたときにガードしていると、レバーが後ろ要素に入っている限りガードポーズを取り続けてしまう。突然下段判定の必勝技を出された時、レバーが後ろに入っていて立ちガードのポーズを取ってしまうと… 攻撃がヒットした時のダメージに非常にバラつきがあり、中にはノーダメージであることも。 投げ技は必ずダメージを与えられるようではあるのだが、必勝技と通常技は当ててもダメージがないときがある。かと思えば弱攻撃ヒットでも強攻撃以上のダメージを与えられたりと…。一応カウンターダメージの設定があるようなのだが、攻撃力のシステムには謎が多い。 バカゲー要素 登場キャラはラスボスを除き、9人が全員(設定上は)テコンドー使いのハズだが、まともにテコンドーな外見のキャラは2人しかおらず、それ以外のキャラは「レオタードを着た体操教師」、「テコンドーと言うより少林拳使い」、「ホッケーマスク男の軍人」、「ブラジルの原住民」等と、どう見てもテコンドーから非常にかけ離れている容姿である。 外見もさる事ながら、技も一体どの辺がテコンドーなのかわからないものが大半を占める。 テコンドーの技と言えば派手な蹴り技が特徴的だが、それらしい技はあまりない。むしろさば折り、体当たり、頭突きといった 本来のテコンドーでは反則となるような技が多い。 主人公の投げからして、相手を押さえ込んだポーズのまま垂直に画面外に浮いてから叩きつけるという妙な技になっている。 終いにはヒップアタック、引っ掻き、手や足を伸ばす、空中で円盤のように体をグルグル回して体当たり(*4)、腹這いになって地面をスピンする、空中で静止したまま駄々をこねる子供のように足をバタつかせるなど、最早テコンドーと言うより奇人変人ショーとでも言った方が良さそうな技が飛び出す。 現実の格闘技とは異なる技を使う格ゲーキャラは多いが、いくら何でもほとんどのキャラがテコンドーらしさを微塵も感じさせないような技ばかり使う格ゲーはそうそう無い。 全キャラが飛び道具を持っている。テコ……ンドー……!? 中には「アンダースローで放たれ、放物線を描かず真っ直ぐ飛ぶ、爆発しない手榴弾」(*5)という、もはやどこから突っ込めばいいのか分からない飛び道具もある。お前ら真面目にテコンドーしろよ!! ラスボスの「空手 健児(からて けんじ)」は名前通り唯一名目上のテコンドー使いではない…が、これも空手とは程遠い技を連発してくる上に、裸にサスペンダー裃(かみしも)と言うまるで怪しい宗教家のような容姿。 ラスボス戦前まで勝ち抜くと、一旦「CONGRATULATION」が表示された後に、ラスボスからの招待状が(物理法則を無視したかのような不可解な軌道で)飛んで来るという演出がある。 「おめでとう、ついにきみは跆拳(テコン)王だ!。だが、真の王者になるには、まだKARATEというFIGHTERがきみの前に立ちはだかっているぞ!」まるで第三者が書いたかのような妙な文面である。本人の直筆サインがあるので、書いたのは紛れもなく本人であるはずなのだが… キャラクターコールの「カラテェケンジィー↑!」に始まり、必勝技だけにとどまらず通常技も悉くがボスらしいぶっ壊れ性能で、ネックハンギングツリーのような体勢から相手を掴んだままバク転の要領で体勢を急反転させ、そのまま飯綱落としのように相手を頭から叩き付けるという人間業と思えない投げ技の「ウルトラバックドロップ」やいきなり筋肉ムキムキになって突っ込んでくる「吸氣破(*6)(*7)」など(ネタ的な意味で)インパクト抜群。 一方、先ずはプレイヤーの優勝を称えてから勝負を挑むと言う礼儀正しい挑戦状や、負けた後もプレイヤーキャラの手を取って「キミが勝者だ」とばかりに掲げる潔い紳士である事もあり、一部のファン(!?)からは「先生」や「空手先生」などの愛称で親しまれているとかいないとか(*8)。 ちなみに、勝利デモで「俺が最強の格闘王、KENJIだ!もう一度やるか。」(ゲーム中表記ママ)と言っているので、別に空手家だという訳でもないのかも知れない。 と思いきや、かつて発売されていた「ゲーセン天国」誌上で本作が紹介された際には「日本空手界の頂点に君臨する男」と紹介されているので、これが公式なものであれば、やはり単純に(使う技はともかくとして)空手家なので空手姓にされていただけの模様。 日本ステージでは秋葉原風の在来線の駅に5両編成の新幹線が通っている。そんな短い新幹線あってたまるか(*9) ちなみに効果音が龍虎の拳そっくり。暫烈拳などを当てたときの「スコーン!」も搭載。BGMも普通にかっこいいのだが、これもすごい龍虎臭がする。…だが、これにはれっきとした理由がある。 本作はれっきとしたSNK公認作で開発にも協力している。その際にSNKから当時の対戦格闘ゲームの効果音ライブラリの提供を受けているからだそうな。 そもそも、元々はビッコムから研修のためにSNKに派遣された実習生が『餓狼伝説2』や『龍虎の拳』の開発に参加しており、そこで得たノウハウを元に生み出されたのが本作である。 更に細かい話になるとスコアのフォントや一部のグラフィックパーツも『餓狼伝説』や『龍虎の拳』で使われていたものと思しきものから流用されている。 声の空耳具合は神レベルと言われることも。 例えば主人公と思われるテコンドー使いハン・ベーダルの必勝技「猛虎拳」(*10)のボイスが「援交します!」、「飛虎撃」(*11)のボイスが「不合格!」勝利ボイスは「ヘタクソー!!」など。 主人公のライバルキャラ、キム・フーンの「鷲爪脚」(*12)のボイスは「獅堂光!」(*13)。 空耳とは少し違うが、ドイツ人のテコンドー使いロッペンハイマーの勝利ボイスの「ダン↓ケッ↑シェーン↑(*14)」もポーズ含めて味わい深い。 そんな中、ラスボスの空手健児の声は龍虎の拳のリョウ・サカザキでお馴染みの臼井雅基氏であり普通にカッコイイ。臼井氏の出演もSNK公認作品だからと言えよう。 なのに同じく日本人設定である紅一点のミユキは向こうの国の人が担当している為、日本人としては違和感バリバリの奇声を発する。ひゃひゃひゃひゃひゃーと顔をひっかいてくる(*15)姿は軽くホラー。そして勝利ボイスは「やっ↑たー↓」とアクセントが変(*16)。 空耳だけでなく、日本語台詞のつづりもどことなく変。しかも時々文字がバグる(*17)(*18)。 勝利メッセージではゴルリオの「ガハハハ…全く勝負たならんわ!」、ロッペンハイマーの「テコンドーをヨーロッパに拡げるまで負けるわけるわけにはいかん!」に代表される妙な誤字がある。 ニック・コマンドー(*19)の勝利セリフである「俺がNO 1. だ!次は誰が相手だ!」。これも誤植(*20)がある上に、改行が変な事になっている。 問題点 見た目としては初代の『餓狼伝説』と『龍虎の拳』の中間のような間隔。だが出る時期が遅かったと言わざるを得ない。 同時期にリリースされたNG格ゲーといえば『龍虎の拳2』や『ザ・キング・オブ・ファイターズ 94』などがあり、それらと比べるとあまりにも外見がしょぼく、見るからにして香ばしいオーラを漂わせていたのである。 もっとも、おそらく大したノウハウを持っていなかった本ゲーム製作陣の事情を鑑みるに、比較対象としていきなり上記ゲーム達(*21)を挙げるのは酷といえば酷かもしれない。……とはいえ(少なくとも日本の)ユーザーにとってそんな事情など関係ないのは当然だが。 また、各ステージとも、KO後の獲得スコアが表示されるタイミングで背景の動きが一瞬止まる。例を挙げると、日本ステージでは背景で新幹線が走行しているのだが、獲得スコアの表示時に一瞬停止してしまうのだ。この辺のところも、作りが稚拙と思われる原因の一端となっている。 ゲームバランスはもちろん操作性も劣悪と言っていいレベルであり、必勝技も出しにくく、まともにキャラを動かす事すら困難。対戦ツールとしての実用性も見出されずに終わった。 その割にCPUの強さは尋常ではなく、無駄に苦戦しやすい。 ラスボス手前に出てくる中ボスのマスター・テクゥは腕が伸びるキャラであり、離れているといきなり掴まれる事も。更に必勝技の「直立撃」はガード不能である。そしてラスボスの空手健児の強さもかなりの物。 その昔、ゲーメストの読者投稿コーナーでは「タイミングよく飛び蹴りを当てる」事でクリアする事が出来たと言う投稿もあった。いずれにせよ、後半敵の強さは本物だったが。 ちなみに「必勝技の出しにくさ」については好事家たちの研究によると「何らかの動作処理(プレイヤーが必勝技のコマンド入力途中に相手が必勝技のコマンドを入力する等)が終了しない限り、必勝技のコマンドを入力しても技が出ない(*22)」といういわば「1P側と2P側で入力処理を共有している珍妙な仕様」が理由ではないかということでほぼ確定している。 評価点(?) 突っ込みどころは十分にあるので、ネタにしながらプレイすると意外な楽しみ方ができる…かも。 この時期の格ゲーには珍しく、ボーナスステージがある事。一つはAボタン連打で瓦を割る(*23)物、もう一つは左右から次々と現れる板をキャラ操作で動かして割る物。 前者は龍虎の氷柱割り、後者は『ストリートファイター』の二つ目のボーナスステージ(*24)と似ている。 総評 気づいた人にはツッコミどころ満載なゲームのため、単なるクソゲーではなく立派なバカゲーと評価する人もいた…が、どう取り繕ってもあまりにもお粗末で劣悪なゲーム性が前面に出すぎていて、大半のプレイヤーはバカゲー要素に気づく前に離れていってしまった。 せめて必勝技がもっと出しやすかったり、操作性やゲームバランスがある程度マシだったら多少は違ったかもしれないが… その他 100メガショックを謳っているが、実際の使用容量は100メガ未満(海外版のフライヤーによると98メガビット)。ちなみにこういう珍妙な仕様は後にも先にも本作のみである。 故に「100メガ未満ショック」と揶揄されることも珍しくない。 しかし、100メガショックのロゴ表示中に鳴る音が、餓狼などで鳴る正規のものと比べて音数が足らないあたり、実は芸が細かいのかも知れない。 あまりにも劣悪な出来だったためか、家庭用NG及び同CDも含め、家庭用ゲーム機には移植されていない。ちなみにAC版のリリースは日本が最初(1994年6月)で、海外がその1ヶ月後、 肝心の韓国は同年9月と最後発 。 後にビッコム社は次回作として『極超豪拳』(海外タイトルは『The Eye of Typhoon』)を開発し、日本国内でも1996年のAOUショーに出展されていたが、ゲーム自体はマスターアップしていたにもかかわらず残念ながら発売中止となる。しかし、MVS版こそお蔵入りになったものの、韓国では末期の市場だった3DO版とPC(MS-DOS)版が発売された。(*25) ちなみに当時のビッコムは韓国におけるMVS基板及びネオジオの販売代理店でもあった。この縁からか、韓国でのネオジオ普及の足掛かりとして『餓狼伝説2』に韓国出身のキャラ「キム」を登場させることになった際、そのフルネームをビッコムの社長から拝借したものとなった(*26)。 なお、近年のKOFシリーズ作品ではフルネームの「キム・カッファン」ではなく「キム」とだけ表記されている(*27)。ただし、SNK時代の作品の移植作では「キム・カッファン」のままである。 他、キムの次男であり、『餓狼 MARK OF THE WOLVES』のプレイヤーキャラとして登場する「キム・ジェイフン」もまた、ビッコムの社長の息子の名前をそのまま借りている。 『THE KING OF FIGHTERS』シリーズの登場キャラ「ジョン・フーン」のモデルは本作の登場キャラの一人「キム・フーン」である(*28)。また「満月斬」「排気撃」といった技名もラスボスの空手健児の技からとったものだが、技としては全くの別物。また、『KOF2000』ではジョンのアナザーストライカーとして本作の主人公と思われる「ハン・ベーダル」をモデルとした「カン・ベダル」が登場している。
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遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX Card ALMANAC 【ゆうぎおうでゅえるもんすたーずじーえっくす かーどあるまなっく】 ジャンル カードアルバム 対応機種 ニンテンドーDS メディア 512MbitDSカード 発売元 コナミデジタルエンタテインメント 発売日 2007年8月9日 定価 2,500円(税別) 判定 クソゲー ポイント 貧弱で使い勝手の悪いデータベース完全にカードのオマケ現在は無料の非公式データベースが存在する 遊☆戯☆王シリーズ 概要 問題点 評価点 総評 余談 概要 カードゲーム『遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ』を元にした作品。 ほかの遊戯王シリーズとは違いゲームではなく、OCGカードのデータを収録したデータベースである。 図鑑以外にも、デッキ構築時に役立つコンボ集も収録。 また計算機機能、サイコロ機能、コイン機能など実際のカードでデュエルする際に使える機能も搭載している。 2006年までに発売されたカードにイベントなどで配布された限定カードを加え、約2600種類のカードデータが収録されているのだが…… 問題点 データベースであるにも拘らず、調べたいカードを検索することが非常に困難。 データ自体は膨大な量が収録されているものの、検索方法がブースターパックごとに調べる「ブースターパック検索」と、モンスターや魔法が五十音順に並べてあるだけの「カード別検索」しか存在しない。カードの名前を入力して検索することも、モンスターの種族ごとに調べることも出来ない。 《青い忍者(ブルーにんじゃ)》や《天空騎士パーシアス(エンジェルナイトパーシアス)》のように、読み方が分かりにくいカードを調べるのは絶望的である。 これ以前の作品では攻撃力や守備力順、レベル(☆)の数順等で調べる事が出来た。データベースに特化した筈なのに劣化しているとはこれいかに。 「ブースターパック検索」ではカードのイラストが表示されるのみで、カードの説明文は「カード別検索」でしか読めないという謎仕様。 コンボリストでは、収録されたカード同士で行えるコンボ(*1)が紹介されている。だが、コンボの説明と使用するカードの名前しか見ることができず、肝心のカードの効果が分からない。そのカードの効果を見ようと思うと、「カード別検索」からカードを探し出すことになる。 カードの説明文の漢字の部分にはご丁寧に平仮名も括弧書きで書かれているが、これが非常に読み辛い。 例えば、上の文を本作と同様のスタイルで書くと以下のようになる。「カードの説明文(せつめいぶん)の漢字(かんじ)の部分(ぶぶん)にはご丁寧(ていねい)に平仮名(ひらがな)も括弧書(かっこが)きで書(か)かれているが、これが非常(ひじょう)に読(よ)み辛(づら)い。」 一方、コンボリストには何故か一切ルビが振られていないという中途半端さ。 これも上記と同じく前作品では、漢字で書かれてたりルビもちゃんと振られていた。 《青眼の白龍》など、イラストのバリエーションが複数存在するカードがあるが、本作には同じ名前のカードにはイラストが1種類しか収録されていない。また、レアリティの違いに関しても一切記述がない。 例えば《青眼の白龍》ならスターターボックスの項目にあるカードもEXの項目にあるカードもBEGINNER S EDITION 1の項目にあるカードも、本来ならすべてイラストが違うが、本作では同じイラストのカードとして収録されている。 所有しているカードを見分けられるようにカードにマークを付けることができるが、それを生かす機能(マーク付きカードだけを集計するなど)はない。 またマークを付けた後にセーブする必要があるが、セーブするにはオプションまで戻って操作しなければならず、非常に面倒である。 評価点 遊戯王ゲームの中で唯一、《偉大なる戦士タイラー/Tyler the Great Warrior》というカードについて記述がある。 このカードは難病の子供・タイラー君のために、欧米で遊戯王カードの販売をしていたアッパーデック社が造ったカードで、世界で1枚しかない。 それ故か、他のゲーム作品では使用することはおろかカードアルバムにすら載らなかったのだが、2016年現在このゲームのみで、カードの詳細や日本語名を知ることが出来る。 総評 残念ながら、カードのオマケと言われても仕方のない出来である。 しかもこれはカードのデータベースなので他のゲームと違い、まともに遊べない。 データベースとして見ても、調べ辛い・読み辛い・データが不完全と、まるでデータベースとしての体をなしていない。 当時ならまだしも、ネットのある現在であれば公式の「遊戯王 オフィシャルカードゲーム - カードデータベース(*2)」や「遊戯王ニューロン」でイラストやカードテキスト、カード毎の裁定を簡単に見ることが可能である。 より複雑なルールを確認したいのであれば、非公式であるが「遊戯王カードWiki(*3)」を利用した方が遥かに効率的。 余談 本作のオマケであるモンスターカード《ブリザード・ドラゴン》(*4)はなかなか役に立ち、出荷数も少ないことからカードのレートがソフトの本体価格を上回っていた。 なお、現在では環境の変化で採用率が落ち、再録もされたので値段は落ち着いている。…が皮肉なことに『デュエルターミナル』ではアクションコマンド《闇の呪縛》(*5)を持っており、弱体化されるまではアクションデュエルXでの必須カードとなってしまった。 本作のパッケージに書かれているE・HEROは全て限定商品におまけ収録された絵違いイラストである。 皮肉にも本作には絵違いカードは収録されていないが…。 いずれも入手が難しかったが、後にコレクションパックー革命の決闘者編にてこの仕様のカードが全て再録された。 後に計算機・コイン・サイコロなどの機能は『遊☆戯☆王5D s WORLD CHAMPIONSHIP 2010』などで実装された為、このゲームの存在価値がなくなってしまった。 それらも現在はスマホの普及(*6)や公式のデュエリストデバイス(*7)により、存在価値がうやむやに。
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ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 絶対に捕まってはいけないガースー黒光りランド 【だうんたうんのがきのつかいやあらへんで ぜったいにつかまってはいけないがーすーくろびかりらんど】 ジャンル 絶対つかまってはいけない対戦逃走アクション 対応機種 ニンテンドー3DS メディア 3DS専用カード 発売元 アルケミスト 開発元 企画 プラネットG 開発 リリースユニバーサルネットワークスタジオ最前線 発売日 2015年12月17日 定価 4,800円(税別) プレイ人数 1~4人 セーブデータ 2個 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 クソゲー ゲームバランスが不安定 ポイント 2015年クソゲーオブザイヤー携帯機部門次点 ガバガバなAI・マップ・カメラ鬼の仕様が極端すぎる時々発生するエラー落ちある意味出演者の気持ちがわかる 日本テレビ関連作品リンク クソゲーオブザイヤー関連作品一覧 概要 あらすじ ゲーム内容 操作 ゲームの大まかなルール その他の遊び 問題点 原作企画との相性 ゲームそのものの問題点 評価点 総評 余談 概要 日本テレビ系列の深夜番組『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』発祥、2020年まで放送されていた大晦日年越し企画「笑ってはいけないシリーズ」の「笑ってはいけないスパイ24時」以来登場したワンコーナー「絶対に捕まってはいけない」をモデルにした鬼ごっこ・障害物競争のようなゲーム。 あらすじ ガースー黒光りランドに囚われてしまったプレイヤーは、他の逃走者であるガキメンバーと協力して黒光りランドのボス、ガースー大王を倒すことに。 ゲーム内容 鬼の探索をかいくぐったり追跡を脚力やアイテムを使ってかわしながら、ゲームで定められた目標をこなすのが本作の大まかな流れ。 原作要素はそれなりに登場するが、そこから改変されている部分も多い。 操作 基本 ゲーム開始時にマイキャラ(途中からの性別と名前は変更不可)を決めることになる。 鬼ごっこの参加者は基本的に4人。一人プレイではプレイヤーはマイキャラを操作し、残りはガキメンバーことレギュラー出演者であるダウンタウンの「松本人志」「浜田雅功」、ココリコの「遠藤章造」「田中直樹」、「月亭方正」のデフォルメキャラが務める。 ダメージという概念は存在するが、体力などはなくいくら怪我をしてもゲームオーバーはない。 移動はスライドパッド対応、L・Rボタンでカメラアングルを左右に回転可能。 投擲 Aボタンで目の前の物体をつかみあげ、再度Aを押すと前方に山なりに放り投げる。ライバルも担ぎ上げることができる。ライバルが物体を持っている状態の場合、ライバルだけを担ぎ上げることになりそれまで持っていた物体は近辺に落下する。 アイテムを持ち運んでいる間は移動速度が下がり、途中で鬼のお仕置きやステージギミックによるダメージなどを受けると持っていたアイテムを落としてしまう。ダメージにひるんでいる間は目の前の物体を担ぎ上げることができない。 アイテム 投擲とはまた別にプレイヤーの探索を補助する消費型のアイテムがある。 ステージ各所に置いてある箱を触るとストックされて、Xかタッチパネルの専用アイコンに触れることで使用できる。 鬼から逃げるもの、ライバルを妨害するもの、マップ全体を一望しアイテムの位置を確認するといったものがある。 コスチュームという原作にはないシステムが存在し、鬼の罰ゲーム(及びその巻き添え)、ステージギミックなどでダメージを受けるとインナー姿になってしまう。コスチュームを着ていないとアイテムが取れず使用もできなくなるため、使いたい場合はステージ各所にある更衣室に入る必要がある。 + アイテム一覧 火の玉 プレイヤーの前方に火の玉を発射する。 電撃ドクロ プレイヤーの周囲に設置型の電撃を配置する。触ると連続的にヒットする。 たらい、爆弾、うんこ、ニセアイテム箱 プレイヤーのいる位置に設置する形で配置するアイテム。 たらいは比較的当てるのが難しい。爆弾とうんこは触ったり爆風に巻き込まれるとライバルにはダメージ、鬼はひるませられる。ニセアイテム箱は障害物として使える。ニセアイテム箱以外はプレイヤー本人にもダメージが及ぶので注意。 藤原寛 使うと自分以外のライバルすべてのアイテムを没収する。 消える薬 一定時間透明人間になる。鬼に追跡されているときはこれを使うだけで撒くことが可能。 駿足 一定時間移動速度が上昇する。物体を運んでいる状態に対しても多少の効果を発揮する。 無敵 一定時間ダメージを受けなくなり、この状態の逃走者にぶつかったライバルや鬼はダメージを受けて転ぶ。 虫眼鏡 使うとマップ全体図を一望する。Yボタンを再度押すことで、元通りの表示に戻る。 秘宝集めで使用すると秘宝の位置が表示されるようになる。 浜田ゴリラ 使うと目的地へと一瞬でワープする。 マップ 下画面に表示される。プレイヤーと鬼の位置、レースにおける次のチェックポイントとゴールの位置が表示される。 Yボタンで表示方法の切り替えができる。具体的にはプレイヤーの向きに合わせて回転させるか、固定させるかの2種類。 基本的にプレイヤーの近くしか表示されないが、虫眼鏡のアイテムを取ることで一定時間全体を見渡すことが可能。秘宝集めの場合は秘宝の位置もわかる。 その他、マップには「ガースーコイン」と呼ばれるコイン型のアイテムが散らばっている。おにごっこ中に効果はないが、クリアしたときに所持していたコインは持ち帰ることができ、ゲーム内の買い物に使うことができる。 ゲームの大まかなルール 黒光りモード いわゆるストーリーモード。作ったマイキャラに対してガキメンバーをデフォルメしたNPC3人がライバルとなって登場。以下の3つのゲーム(秘宝集め、レース、サバイバル)を5分ずつ行い、総合得点を競う。 「ヘイポー」、「ピカデリー梅田」、「腰振りおばちゃん」、「新おにぃ」、「板尾創路」の名前を冠したチャレンジがある。 ヘイポー、梅田、おばちゃんの3つを総合1位でクリアすることで新おにぃ、板尾のチャレンジが解放され、この2つをさらに総合1位でクリアすることで、最終ステージであるガースー大王チャレンジに挑める。 + 3つのゲームの詳細 第一戦:秘宝集め ステージに散らばる秘宝を抱えて、スタート地点にある噴水のようなオブジェへと投げ入れるとポイントになる。 金は5点銀4点銅3点、赤と青は1点、時間の許す限りランダムで出現し続ける。 第二戦:レース 鬼に会わないように走り、各所のチェックポイント7つを順番に通過していく。この後にゴールにたどり着くとクリア。早くたどり着いた順にポイントが割り振られる。 マップにはゴールと次のチェックポイントの位置が表示されるほか、足元の矢印が大まかに次のチェックポイントおよびゴールのおおまかな方角を示してくれる。 第三戦:サバイバル ルールはシンプルで鬼に捕まったら即退場。 生き残った時間の長さに応じてポイントが振り分けられる。 1~4位から順に、20、10、5、1点が基本。レースでは前の人にあまりにも差をつけられたりすると、サバイバルではあまりにも早く脱落したりすると点数が入らない模様。 タイムアップまで生き残ると1位とみなされ、必ず20点入る。 ボスバトル 6つめのガースー大王チャレンジのみで行われる。 ステージに現れる青いオブジェをつかみあげて中央にいる「ガースー大王」に向かって投げつける。 オブジェは落とすと爆発し爆風に巻き込まれるとダメージ。「ガースー大王」に当てることができればポイント1点が入る。 青いオブジェを持つキャラを担ぎ上げるとオブジェがその場に落下し爆発してしまうので、秘宝集めと異なり青いオブジェを奪い取ることはできない。 制限時間は存在せずガースー大王を倒した時点での得点の高さに応じて順位が分けられる。 黒い鬼 プレイヤーを見つけると追いかけまわしてくる。彼らに捕まると「デデーン!」の効果音の後、「(マイキャラの名前に応じたニックネーム)、OUT!!」とボイス付きで言われた後にお仕置きを執行される。 鬼はマップに配置された黒いロッカーのようなオブジェの近くにいるとそこから一定間隔で出現する。 足の速さや索敵範囲には個人差があり、なかには普通に逃げているだけで追いつかれない鬼もいる。基本的に罰ゲームは捕まらないとどんなものになるかわからないが、蝶野や江頭2 50、ムエタイ戦士といった例外もいる。 基本的に食らった後は服が脱げるのはもちろんのこと、キャラは痛みにひるみ続けるため食らった後の数秒はいつも通りに走れない。 + キッツいお仕置き一覧 吹き矢、ケツハリセン 比較的普通な罰ゲーム。 ハットしてグー 爆竹付きのメキシカンな麦わら帽子をかぶせられる。その後、プレイヤーめがけて一定時間爆弾が落下し続けるが、罰ゲームの中で唯一うまく走り回ればひるまずに抜け出すことが可能。しかし一回でもあたってしまえばフラフラになってしまいその後の爆弾にもヒットし続けることになる。 パイ投げ 投げられた直後は視界不良になり、操作面でもスライドパッドの通りにまっすぐ走れなくなる。 蝶野ビンタ、さそり固め、江頭2 50ガス 集めたコインが周囲に飛散してしまう。 タイキック 蹴られるまでにムエタイ戦士が踊るため、お仕置きを受けるまでのタイムロスが他のものよりも多め。また蹴られると彼方まで吹っ飛ばされ、別の場所にワープさせられる。 その他の遊び フリープレイ、みんなで遊ぶ 好きなルール(秘宝集め、レース、サドンデス)を選び、ステージ、制限時間(1~10分)、アイテムの有無を選択する。 ガースー城を選ぶとガースー大王討伐のみ行える。 「フリープレイ」はNPC対戦、「みんなで遊ぶ」は本ソフトを持っているプレイヤーとローカル通信対戦ができる。 キャラクターエディット マイキャラの名前・性別以外の外見の特徴、服装を変えられる。 ショップ ステージに落下しているゲームコインで買い物が可能。ひととおりの黒光りモードで1位をとるとすべての衣装が解放される。 コレクション いままでの戦績やそれに応じて解放された特典や、ガキの使いやあらへんで!!にまつわるちょっとした基本知識も閲覧できる。 問題点 原作企画との相性 原作の再現度の低さ 喋るキャラは藤原元マネージャーのみ。他のメンバーは鬼に捕まろうが特に目立つリアクションをしてくれない。 参加NPCもマイキャラとその他3人(ガキメンバーから抽選)なので、原作のような出演者同士の絡み合いや駆け引きはない。番組におけるこの企画の面白さのひとつでもある「鬼に捕まってからのリアクション芸」「参加者の人間性の汚さ」を垣間見られるわけでもない。 ガキ使ゲーでありながらガキメンバーを操作できない。必ずマイキャラを使う必要がある。ゲームの戦績に応じてダイナマイト四国といった少しマニアックなキャラを閲覧できるようにはなるが、彼らも例のごとく逃走キャラに参加させられない。 原作番組の後期にあった「松本が拉致されて残りのメンバーで救出に向かう」「山崎に目立つギミックがつけられる」といったイベントもない。 鬼ごっこという題材について 基本的にソースとなる鬼ごっこの規模自体が小さい。本作は特典要素こそ加えてはいるものの、やれることの大半は鬼から逃げ回って場合によっては目的の場所へ移動するぐらいなので、お世辞にも内容が濃いとは言えない。 元となった鬼ごっこは決して「参加者が」楽しいゲームではないため、原作で当たり前に起きていた鬼との接触が非常にうっとうしいものに。 この参加者にとっての理不尽さは、ゲームバランス調整で多少マイルドにしたり、逆に他のゲームの追随を許さない長所にできたかもしれないが、本作に至ってはそれに成功していない。 おそらくこの点が本作のもっとも苦痛な場面なのだが、システムでも説明したように鬼に捕まってからお仕置きをされてまともに走れるようになるまでがものすごく長い。しかもそのフラフラと歩いている間に鬼に出会っても原作番組のように空気を読んでスルーしてくれるなんて事はなく、当然のように捕まえに来る。マップも狭く逃げ場が少ないうえ、出現ボックスがある地点で鬼に捕まると、際限なく登場する鬼にハメられ続けるといった原作にはない事態まで発生する。 藤原元マネージャーのキャラについて ゲームの司会進行はダウンタウンの元マネージャーである藤原寛がボイス付きで行ってくれる。 メニューといったモード選択の際に、藤原がプレイヤーを闇雲にけなしてくるところも原作再現。褒めるときもあるにはあるのだが、本作のひどさ(後述)を目の当たりにした後にけなされると尚更神経を逆なでされる。ボイスといいシステムといいただでさえ殺風景な本作の中、せめてもの賑わいにはなっているかもしれないが、実際には「ノーボイスの中ただ1人うざったい」という印象になりがち。 ゲームそのものの問題点 ボリューム・シナリオ整合性 ゲームの根幹となる黒光りモードをひととおりクリアするのに要する時間はせいぜい2時間。いくらなんでも短すぎる。 ステージを進めても、結局地形とステージのダメージギミックが多少変化するだけなのでこの短いプレイ時間であってもマンネリを感じてしまう。 対戦モードは一応ある。一種の障害物競走のようなところもあるため『マリオカート』の感覚で遊べなくもないが…。 そもそもこのゲームを持っている人としか対戦ができない。本作を持っている友人を探すのは難しいはず。 ある意味ガキ使らしい不可解さと言えばそうかもしれないが、黒光りランドのボス、「ガースー大王」を倒せという共通の目標を持っておきながら、マイキャラとNPCの競争が常に行われているのもおかしい。 ガースー大王の討伐までの流れも、ガースー大王の体力(非表示)が尽きるまで苦手な「水色のもの」をひたすら持ち上げて彼のところまで運び投げつけ続ける。それだけ。 大王は火炎放射や落石で攻撃してくることはあるが、食らったところで大してペナルティがあるわけでもなく…。 不親切・邪魔なギミック マップで拾えるアイテム、鬼の罰ゲームの効果、マップにあるギミックに関しては説明なし。特に複雑なルールこそないため早めに覚えてしまうことは可能だが、不親切と言わざるを得ない。 鬼の位置は常に下のマップから確認できるのに、鬼の登場ポイントや更衣ボックスといった攻略に重要な場所は表示されない。 目標物のある方角はキャラの足元にある緑色の矢印が教えてくれるのだが、あくまで「方角」であり道のりがわかるわけではない。矢印通りに行動して行き止まりに嵌ってしまうことも。 マップの表示も見にくい事が原因のひとつでもあるのだが、通れそうで通れないところがわりと多い。 第二ステージであるピカデリーのチャレンジでは、マップの端に別のフロアへと移動するワープパッドがあるのだが、当然これも説明なし。レースの際に当たり前のように使うことになるので、他のNPCの行動を見よう見まねで覚えでもしない限りここでまず最初につまずく。 鬼に追われた時に専用のBGMはかかり画面が赤い点滅で曇るのだが、鬼を撒いてもこれが解除されないことが多々あるので、このBGMが鬼の感知に役立たないだけでなく画面が見にくくなるという被害も。 アイテムの仕様 大きな問題点とは言い難いが、なぜか前方に火の玉を飛ばすものや、虫眼鏡でステージマップを拡大させてかえって見にくくしてしまう物、他メンバーのアイテム没収といった、あまり役に立たないアイテムもある。 使用制限をつけたかったのか、ダメージを受けた後は更衣室に入って服を着なおさないとアイテムが使えない。しかしこの調整のため、鬼に捕まらない人ほど有利になってしまうという偏った展開に。上記のように、アイテムが必ずしも強くはない事は幸いだが。 動作の重さ ステージを選択した時の読み込みに20秒ほどとかなりロード時間を要する。 まるで電波の悪いところで通信対戦しているかのような処理落ちラグが一人プレイでも頻繁に発生する。ロード画面ですらこの処理落ちラグが発生する。 キャラカスタマイズ時、パーツを変えるたびになぜか2秒くらいのフリーズが入る。ガースーコインでの買い物時も同様にフリーズが発生する。 カメラが周囲の障害物に非常に弱く、「カメラが存在するであろう空間」を障害物に重ねてしまうとカメラが真上にはじかれてしまい、キャラを至近距離から見下ろすような視点になってしまい操作が非常に困難。第4,5ステージは狭いところが多いため、下手に探索すると鬼にも襲われやすくなり不利。 各種の調整不足がもたらすいびつな難易度 ゲーム攻略のために求められるアクションが、あまりにも身も蓋もなさすぎる。 上での繰り返しになるが、黒鬼は黒いボックスの近くにいると問答無用で湧いてくる。危険地帯であることには変わりないが、うっかりここでお仕置きを受けて足止めを受けようものなら、際限なく涌く黒鬼に半永久的にシバかれ続けることに。ゲーム攻略の上で特に必要がないのであれば、黒いボックスには絶対に近づいてはいけない。 ヘイポーチャレンジのようなステージにワープパッドがある場合は、それを使うだけで鬼を撒ける。 NPCのAIは率直に言ってしまうとバカ。 ライバルとなるガキメンバーは、開始時こそ目標物に向かって最善ルートを選んでせっせと行動するのだが、一度妨害されるとその後はしばらく棒立ちして何もしなくなることが多い。お宝さがしで拾い集めてきたお宝を妨害によって手落とされても、何食わぬ顔でその辺をウロウロし続けるか別の宝をぼちぼち探しに行く。また、罰ゲームを受けてパンツ一丁になっても滅多に更衣室に入らない。というかそもそもアイテムをほぼ使わない。 あらゆる場所でそうなるわけではないが、鬼が壁越しのキャラを追いかける際に回り込むという発想に至らず、ずっと壁にめり込むように走り続ける例もある。 逆に、鬼の知覚設定や判定がバラバラ(足の速さにも差があるので単なる個性分けかもしれないが)で、かなり遠くにいる鬼が背後や壁の死角にいるマイキャラを感知してベストなルートを選びながら追跡してくることもあれば、比較的近い所を横から通り過ぎても反応しないこともあるので対処が難しい。 対戦プレイ時のゲームバランス 得点計算とペナルティを受ける受けないの条件が非常に極端なので、別のプレイヤーとの対専用ツールとして機能していない。 明確に順位をつける2,3のゲームは、1位 20点 2 10点 3位 5点 4位 1点。具体的な条件はよくわからないが、前の順位との差が開きすぎていると点数が一切入らない模様。一位には必ず高得点が入るため一人がぶっちぎってしまうことはザラ。 「サバイバル」は当然鬼に捕まらなければいいので、鬼の出現地点の黒いボックスから遠い所まで避難して、下画面を見ながら鬼と一定距離を保ちつつ待機すればよい。というかむやみに動くと逆に危ない。それでも見つかってしまうことはあるが、正直そこまでくるとただの運ゲーであり、パーティーゲーとしての機能を保持するのも難しい。 「レース」も何かしらのアイテムで妨害しさえすれば簡単に独走でき、「秘宝集め」も同じような理屈で、わざわざ探索して襲われるよりも他のライバルが遠くからせっせと持ってくるお宝を奪い取って自分の点数にしてしまった方がはるかに効率がよい。 以上2項目をふまえると、理不尽な難易度をもたらす要素もあるが、それのかいくぐり方さえ覚えてしまえば途端に歯ごたえのないゲームへと早変わりする。難易度調整もできない。 時代錯誤感、3DSにそぐわない内容 マップがただでさえ見にくくカメラアングルで遠くを見回すこともできないので、スライドタッチしてマップだけでも周囲を確認できる機能があってもよかったと感じる。 全編3D非対応。またこのようなUIまわりの壊滅的なところは一昔のゲームでもなかなかお目にかかれない。 評価点 音響演出 番組に使われていたBGMではないが、通常の探索時にはなかなかセンスのいい音楽が流れる。また使いまわしは無くチャレンジごとに違う曲が用意されている。 キャラの名前の頭文字に合わせて、鬼に捕まった時の藤原元マネージャーの肉声による「○○、OUT!!」の掛け声の呼び方がかなり細かく変わる。「まつもと」や「はまだ」等のレギュラーは勿論、他の一般的な名字はおろか、「みやさこ」等の他の吉本芸人の音声まで多数が収録されている。ここの多様さは昨今のゲームの中でも素直に褒めるべき点。 オリジナリティ ゲームをする上ではかえって邪魔な存在にもなりがちだが、ダメージを受けると服が脱げて服を着なおすまではアイテムが使えないという縛りが入っていることで、ゲームの単調性が少しは薄れていると思われる。 マイキャラを女キャラにすることも可能、ナースや学生服といったコスプレにも対応している。 4人集まってパーティーゲームとして遊べば、敵NPCの珍妙なAIもあいまっていつもとは調子の違う不思議なバトルができる、かもしれない。人が集まればの話だが。 ただし、他のキャラに持ち上げられると投げられるまでレバガチャやボタン連打をしようが脱出できないため、実際にやるとそれはそれで問題が発生しそうである。 5つあるチャレンジ(ヘイポー、梅田、おばちゃん、新おにぃ、板尾)が冠するロゴは、きちんと5種類分用意されている。だからどうしたと言われたらおしまいだが。 局所的な再現度 登場人物のガキメンバーやゲストキャラはしゃべらないとはいえ、Miiとはまた違った方法でキャラ再現がされているが、なかなか本人と似ている。 レギュラーメンバー5人や藤原マネージャーは勿論、「ガースー」「ヘイポー」と言ったスタッフ、「板尾創路」や「蝶野正洋」、「江頭2 50」などのゲストキャラ、「ピカデリー梅田」や「新おにぃ」、「腰ふりおばちゃん」、「今夜が山田」などのマニアックなものまで、ガキ使の名物キャラはほとんどが出演している。 コレクションにて鬼ごっこには登場しないガキ名物も本作に少々存在する。集めるのは少し骨が折れるが、特典要素に関してはクオリティはさておき数はそれなりに豊富。 鬼に見つかると警告のBGMに変化するが、「有用なアイテムを持っていない限りは発見された時点で手遅れ」という点に関しては、ある意味原作をよく再現している。 総評 内容の酷さに一通り慣れることができれば暇つぶし程度には遊べるだろう。また、コレクション要素などでファンアイテムとしての最低限の奥深さこそ備えてはいる。 しかし、ガキ使への愛が詰まっているとはお世辞にも言い難く、アクションゲームとして基本的な部分に致命的な粗まで存在し、単体のアクションゲーとしての体をなしてすらいない。 番組の企画を無理やりゲームに落とし込んだゆえに、システムや原作の良さが共倒れしたという事はよくある話だが、本作はその典型例に収まらず時代錯誤すら思わせる香ばしいクオリティのクソゲーとなってしまった。製作陣が無謀な開発予算とスケジュールのもと本作を作ったのでは、とどうしても勘ぐってしまう。 余談 2015年度クソゲーオブザイヤー携帯機部門でノミネートされるも次点止まりとなった。 本作の開発元とされていた「プラネットG」は企画とプロデュースのみを担当し、実開発は「リリースユニバーサルネットワーク」と「スタジオ最前線」に丸投げしていた事が後に判明した。 発売元の「アルケミスト」はかつてアダルトゲームのコンシューマ機向け移植で名を馳せたメーカーだが、本作発売から4ヵ月後にアルケミストは倒産し、2017年に完全消滅した。 これにより2016年4月11日をもってダウンロード版の配信終了。同社から発売された他の3DS用ソフトも全て配信終了した。本社側としては何とも後味の悪い結末となってしまった……
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インフィニタ・ストラーダ 【いんふぃにた すとらーだ】 ジャンル SFファンタジーカードバトル(デッキ構築型カードゲーム) 対応機種 プレイステーション・ヴィータ メディア ダウンロード専売 発売元 おふぃす5656 開発元 AMGエンタテインメント 発売日 2014年4月22日 定価 基本プレイ無料(カードパック課金制) レーティング CERO D(17歳以上対象) 判定 クソゲー ゲームバランスが不安定 ポイント 2014年クソゲーオブザイヤー携帯機部門大賞 デッキ枚数下限無し、バランス取る気無し「100%先攻1ターンキル」「コイントスの方がマシ」 クソゲーオブザイヤー関連作品一覧 概要 システム・ルール カードの設定 バトルの進め方 ゲームの進め方 問題点 デッキ枚数について カードパワーについて バトルについて オンライン対人戦について~「100%先攻1ターンキル」の存在 有料カードパックについて その他の問題点 評価点? 総評 備考 バージョンアップ版、移植版 概要 2014年当時、家庭用ゲーム機ではまだ珍しかった「基本プレイ無料」のゲーム。ソーシャルカードゲーム(ソシャゲ)『無限のストラーダ』から設定とイラストの流用が見られるが、キャラクターをシステム的に(むりやり)カード化したものではなく、実際のトレーディングカードゲーム(TCG)に近い「デッキ構築型カードゲーム」となった。 ……と思われていたのだが、ソシャゲの理屈に無理やり戦略性をねじ込もうとしたせいか、どこを見ても問題点だらけ。果てには「100%防御不能の先攻1ターンキル」が開発されてしまい、もはやゲームになっていない状態であることを白日の下に晒されてしまった。 本作はあくまで「基本無料でオンライン課金・対戦もあるトレーディングカードゲーム」であり、フレンドを作って得をする「ソーシャル」要素は無い。 本項では初代PSVita版を取り上げているが、バージョンアップ版および他機種移植版も展開されている。それらについては、紹介程度に留める。 + PV(OPムービー) システム・ルール カードの設定 いわゆる「モンスター/クリーチャー」のカードのみ存在し、以下のパラメータが設定されている。 カード同士の戦闘時の、攻撃側が参照する「AP」、防御側が参照する「HP」、配置時に必要な「COST」。 属性:サイバーズ(人間/黄)、ケルズ(天使/緑)、デモンズ(悪魔/赤)の3種類。 種族:8種類あり、カードによっては1枚のカードが最大4種族を兼ね備える。神、天使、悪魔、精霊、不死、人間、機械、旧神。 属性:17種類あり、カードによっては1枚で最大6属性を兼ね備える。地、水、火、風、光、闇、善、悪、力場、物理、非実体、炎、冷気、電気、酸、音波、電撃。 特技:場で常時発動する効果。カードにより最低2種類、最大6種類を兼ね備える。 スキル:場への配置後、スキル固有のコストを追加で消費して任意で発動できる効果。カードは基本的にスキルを一個持つが、一部の低レアリティカードは持っていない。 「属性」という名前のパラメータが2つあるが、公式サイトによればこれが正式名称である。 「サイバーズ・ケルズ・デモンズ」は「勢力、陣営」などの表記が相応しくはないだろうか。(以降の本記事では、区別の都合上「勢力」と呼称する) 「特技」のテキストに従うと、17種類ある方の属性は「エナジー属性」と呼ぶらしい。 表現が重複していてダサい。 バトルの進め方 デッキは同名カード4枚まで・合計20枚まで、ゲーム開始時の手札は5枚。 プレイヤーは「指揮官」となり、カード同様にHPが設定される。 ターン開始時、デッキからカードをドローし、COSTの消費源となるMPが自動で補充される。 ドロー枚数は、手札が5枚以上なら1枚。先攻もドローするので、開始時の手札は事実上6枚。 手札が4枚以下なら、手札が5枚になるまでドロー。(もちろんデッキ枚数という上限はある) 場はプレイヤー1人がカードを5枚まで配置できる「スロット」によって構成される。 スロットにも《サイバーズ/黄》《ケルズ/緑》《デモンズ/赤》《中立/白》の4色の属性が存在し、中立以外ではスロットの色と置かれたカード勢力との相性(マッチング)によるステータスの増減が発生する。 いわゆる「召喚酔い」があり、「急速展開」の特技を持たない限り、配置されたカードはそのターン中に行動できない。 スロット配置済みのカードに対して、カードを重ねることで強化が可能。 支援:重ねたカード分のAPを上昇させる。『遊戯王カードゲーム(OCG)』で言い換えるなら「装備魔法扱いになるモンスター」のようなもの。 進化:同名カードを重ねて、AP・HP両方を上昇させる。こちらは「手札から場へ重ねると融合するモンスター」といったところ。 敵のカード配置済みスロットを選択すると、カード同士の戦闘となる。防御側のHPを攻撃側のAP分減らし、HPがゼロになると墓場へ置かれる。 空きスロットを選択すると「指揮官攻撃」となり、敵指揮官のHPを自分のAP分減らす。 指揮官攻撃されたプレイヤーは、カードを空きスロットへ移動させることで「機動防御」を行うことができる。 ただし、機動防御でカードのHPを超過したダメージは、指揮官へ貫通する。 敵指揮官のHPをゼロにするか、敵のデッキ・手札・場のカードが全て墓場へ置かれた場合に勝利。ギブアップコマンドもある。 ゲームの進め方 「任務」(ストーリーモード)に加え、「訓練施設」(CPU対戦)、オンライン対戦を行うことができる。 いずれのモードでも、バトルによって経験値・ゴールドを入手でき、経験値を溜めれば指揮官HPアップ、ゴールドを使えばショップでパックを購入できる。 ストーリーモードの各章をクリアすると、一度だけパックを入手でき、ゲーム内ショップで購入可能なパックも増えていく。 オンライン対戦では、非売品パックを報酬として入手できる。 「カードパック課金制」で、PlayStation Storeで有料購入できるカードパックがある。 問題点 デッキ枚数について 上限20枚「まで」…上限はあるが下限は無く、 極端な話1枚でも良い。 初期手札6枚以内のデッキなら望み通りの初手が100%の確率で揃う。 デッキ切れによる敗北・ダメージなどのペナルティも一切無い。 カードが全て墓地に置かれると敗北となるため、枚数を減らすことに一応デメリットはあるものの、後述する数々のパワーカードの存在故に、初手を固定できるメリットが遥かに上回る。 そもそもの話、望み通りの初手を意図的に揃えることは、カードゲームや麻雀などでは「積み込み」と呼ばれる 不正行為 で、駆け引き・運の要素を損なうものである。 デッキ枚数下限を「20枚」にしたとしても「同名カード4枚」「初期手札6枚」のルール故、目当てのカードを4枚投入すれば初手50%以上の高確率で引ける。 参考までに、他のデジタルカードゲーム(DTCG)では「デッキ20~40枚」「同名カード2~4枚」「初期手札3~4枚」といった具合。 カードパワーについて 本作は、レアリティが星の数で表される。 「レアリティが高いカードほど強い」というのはカードゲームにもソシャゲにも共通する基本原則だが、本作は並のソシャゲ以上にレアリティの格付けが苛烈。対人戦で実用に耐えるのは、ほんの一握りのレアカードのみ。(以降、無課金でも通常入手可能な星3以下は「低レア」、課金パック・対戦報酬パックからの入手に限られる星4以上は「高レア」と略記する) 具体的なステータスは、最低の星1でAP200/HP200/COST2、星3でAP600/HP600/COST4、最大の星5でAP2250/HP2250/COST8など。 能力値だけでなく特技・スキルも増えていくので、コスト比が釣り合っていない。 有料パックからデッキ投入可能な「進化済みカード」を入手可能である上、大半が進化前カードと同コストという完全な上位互換。 進化カード同士の進化でスキル・特技も強化される「超進化」も可能だが、「超進化済みカード」も同様に有料パックから入手可能。 ステータス差は進化・超進化で更に開く。星1でAP400/HP400/COST3に対し、星5でAP6000/HP5750/COST10など。 旧裏ポケモンカード/ポケモンカードGBで例えると「ヒトカゲにヒトカゲを場で重ねるとリザードに進化する。なお、いきなりリザードンを使ってもいい(*1)」という感じ。 進化によるHP・AP上昇は、厳密には「上書き」である。 HPは回復できるメリットがあるものの、APは支援に比べれば微々たる上昇量である上、支援効果はリセットされてしまう。 進化・支援の併用は困難であり、「進化済みカードの支援」ほぼ一択。進化済みカードの優位性を高めている。 高レアの一応のデメリットとしては、コストの増加が挙げられるが、MPは自動で補充される上に補充値も多く、ほぼ問題にならない。 ストーリーを進めていくうち、1ターン10以上=1ターンに1枚星5カードを必ず場に出せるほど多くなる。 最終盤では20以上補充されて、コストを使い切る前にデッキが切れる。 高レアが持つ「特技」「スキル」については、バトルのシステム面での影響が大きいため、後述する。 バトルについて 「バトルの進め方」にて記した内容を一部繰り返すが、あらゆる要素がモグラ叩き同然の圧倒的先攻有利を助長している。 先攻プレイヤーもドローする。3ターン目以降のドローは手札が上限5枚になるまでドロー。 急速展開の特技を持たないカードは、全て召喚酔いする。 急速展開があれば「先攻プレイヤーの1ターン目」でも攻撃宣言が可能。 攻撃側は一切のダメージを受けない一方で、防御側は機動防御だと貫通ダメージが発生する危険性まである。 スキル発動などを禁止する「ロック・先出し」はできるものの、「○○禁止無効」の特技には無視される上に、相手のカード配置・スキル発動を無効化するなどの「カウンター・後出し」がシステム上存在しない。 ただでさえ有利な先攻プレイヤーを止める術は一切無く、悪い意味の「ソリティア(*2)(*3)」そのものである。 カードに設定された数値が細かい上に、増減する要素も多く、難解。 AP1380/HP640のカードがあったり、AP100のカードが超進化するとAP275になったりする。 特技・スキルによる増減も10%,15%,30%,75%といった、キリの悪い数字ばかり。 加減算は、常に最新値で行う。掛け算に掛け算を重ねたり、掛け算したものを割り算したりするので、一桁目が0と5以外になることが多発する。 AP600のカードに「AP75%アップ」のスキルを使う場合、1回目は600の75%アップで1050、2回目は1050の75%アップで1837(小数点以下の切り捨て)。 スロットと勢力の相性による増減値は、「アンマッチ:AP0.8倍 HP0.8倍」「マッチ:AP2.2倍 HP2.2倍」「ベストマッチ:AP2.5倍 HP4倍」。やはりキリが悪い上、ベストマッチとそれ以外の差が開きすぎている。 ストーリーモードでは、バトルごとにフィールドの属性が固定されているが、それを事前に知ることができないので、フィールドを見てからギブアップしてデッキを組み直すことがほぼ必須となる。 あらゆる意味で、全体的に高レア有利のバランスになっている。 相性・特技・スキルのいずれの場合も、固定値ではなく割合(%)で増減するため、数百程度のステータスの低レアは雀の涙ほどで、数千以上のステータスの高レアはさらに強化される。 ベストマッチのHP4倍効果を受ける場合、HP400だと1600(+1200)であるのに対し、HP5750だと23000(+17250)になる。 高レアは強力な特技を複数持つことが多く、例えば「物理属性からの攻撃75%減少」「酸属性に対して攻撃力2倍」「星3以下からの攻撃1/2減少」という風になっている。 特に「星2もしくは星3以下からの攻撃を、減少もしくは無効」という特技を持った高レアが多く、低レアに存在価値は無い。 本編中盤(6~7章)以降のCPUは、このようなカードも大量に使用する。無課金・少額課金ユーザへの露骨な圧力で、難易度の調整や課金に対するバランス感覚が歪である。 高レアは属性も複合的に、例えば「地・闇・悪・物理・冷気・音波」という風になっているが、こちらはむしろデメリットである。 先述の通り「特定の属性からの攻撃を、減少もしくは無効」「特定の属性への攻撃力が増加」という特技が存在しており、属性が多ければ多いほど引っかかりやすい。 半端な数値、多すぎる属性とスキルといった様々な要素で「手札にある時」と「場に出た時」でステータスが変わったり、何もダメージを与えられなくなることがほぼ全てのカードで発生する。 「このカードで、あのカードに、Xダメージを与えて破壊する」のような戦略の構築、盤面の把握が事実上不可能と言い換えていいほどに困難。 場で変動した数値は常に表示されており、ダメージ計算も当然自動で行われるが、人間の理解を超えて戦略性という醍醐味を味わえなければ、本末転倒である。 そんな中で一際輝くのが、戦闘すら不要になる「自らを犠牲にして場のカードを墓場に送る」除去効果のスキル。 効果対象も「敵味方問わず・敵のみ」「3勢力のうちいずれか1つ・勢力問わず全て」と、やたらにパターンが豊富。 しかも「敵のみ・勢力問わず全て」という最強除去の星5カードを、対戦報酬パックから入手できる。 「進化禁止」「スキル発動禁止」「機動防御禁止」などの禁止系スキルに対しては、「進化禁止無効」「スキル発動禁止無効」「機動防御禁止無効」という 小学生のケンカのような 耐性特技が存在するが、「除去無効」の特技は存在しない。 そして「墓場のカードを手札に回収する」スキルが存在する。 先攻を取れば「除去と回収」だけを回し続けて勝利できる。 相手はカードを出せば墓地へ送られて負け、出さなければ直接攻撃されて負け。すなわち「待ちガイル」である。 カードを組み合わせたコンボはせいぜい「除去と回収」、「特定の種族が配置されているとコスト減少」の特技を生かせる程度で、ドロー加速や手札破壊といった駆け引きなども無く、デッキ構築の要素は薄い。 「レア度の違いによって絶対的に能力の違いが出る」「課金した方が有利」という原則はソシャゲによくある不文律であるが、ソシャゲがそれでも娯楽として成り立つのは、ルールとして単純な分、手持ちの消費アイテム等の(リアルマネー・リアル時間含む)リソースのやりくりによって彼我の戦力差を覆す「金・時間・物量・工夫でなんとかする」立ち回りが可能なためである。 プレイヤー同士の一対一、お互い同じ量の限られたリソースしか与えられないTCGに、この不文律をそのまま持って来れば、ゲームとして破綻するのは当然である。 オンライン対人戦について~「100%先攻1ターンキル」の存在 オンライン対人戦では、カードを場に配置せず、スキルを手札から捨てて発動できるルールが追加されている。 本来はカードの配置コスト・スキルの発動コストで二重の負担がある上に、スキルも召喚酔いの影響を受けるため待ち時間が発生する。そして、相手からは急速展開カードに奇襲される=待ち時間の相手ターン中に破壊されるリスクを負う必要もある。 しかし手札からのスキル発動により、配置コスト・待ち時間・破壊されるリスク、3点を踏み倒してしまう。 このモードではターン進行時の補充MPが10固定なので、コスト10超進化カードを次々配置するような単純なプレイはできない。 なのだが…「死亡時にプレイヤーのMPを15補充する」という、壁モンスターとして使えば相手の攻撃を牽制するスキルが、この対人戦モードでは「MP1で手札からこのカードを捨てて、MPを15補充する(+14)」というとんでもないカードに変貌しており、事実上MP24スタートが可能となっている。 初期MPを2倍以上にできるというだけでも相当マズいが、ここからが本番。 山札(手札)6枚から「MP補充」「空きスロットの勢力書き換え(強制ベストマッチ)」「場のカードの攻撃力上昇」「支援効果」を駆使して「急速展開カード」を徹底的に強化していくと、急速展開の攻撃力が指揮官HPを上回る。繰り返すが、急速展開は「先攻プレイヤーの1ターン目」でも攻撃宣言が可能。 これが本作最大の問題点、初手で必ず揃う6枚以内のデッキによる 「成功率100%の先攻1ターンキル」 である。 「待ちガイルVS待ちも許さない開幕10割即死コンボ」「遊戯王OCGでエクゾディア(*4)が初手で必ず揃う(*5)」「ブラックジャック(*6)をAとJだけで遊ぶ(*7)」等々……要するに「先攻を取った方が勝ち」ということで、対戦ゲームとしての存在価値は皆無である。 無課金でも手に入る除去+回収カードに対し、こちらの速攻を含む数枚のカードは要課金。無料でもクソ、課金すれば更にクソ。 当然「除去スキル」も手札から発動できる。 先攻1ターンキルが成立しなかった=そのデッキを使わなかったor操作ミスをした場合、後攻は相手の場を除去スキルで一掃してからほぼ同様の手順を取ることで(*8)100%後攻1ターンキルが可能。 ただし先述の通り「先攻を取った方が勝ち」という環境であり、後攻前提でデッキを組む必要は無い。 1ターンキルを自粛すると、今度は手札除去スキルに怯える「後攻絶対有利、先にカードを出した方が負け」という、ここまでの説明とは真逆の膠着状態で遊ぶことになる。 除去スキル持ちカードは自身を墓場に送るので、お互いに最後の一枚(もしくは最初から一枚のデッキ)だと、同時に敗北条件を満たすのだが、除去スキルを発動した場合はターンプレイヤーが勝者となる。引き分けですらない、理不尽な暴力。 本作はそもそもがマイナーな上に、この環境では、まともなオンライン対戦が望めるはずもない。 掲示板などで対戦相手を募り、報酬パック・トロフィーを目当てに互いにデッキを1枚にして即決着orギブアップを繰り返す異様な光景の談合が行われる…ことでさえ、稀である。 対戦部屋の全体的な仕様も、1対1の対戦と最低限のチャット機能しか用意されておらず不便。プレイヤー名がPSNのID名で固定、個別レギュレーション設定不可、対戦部屋の名付け不可、パスワード設定不可、入室後デッキ編集不可、多人数での観戦・チャット・入れ替え戦なども不可。 レギュレーションを自主的に設定しようにも、部屋に名前を付けることもできない上、チャットで話し合ってもデッキを組むのに出直さなければいけない。うっかり人違いでバトルを始めてしまったら、即ギブアップしなければいけない。もっとも、元々が過疎なので、これらの心配は全て杞憂である。 先攻・後攻は自動で決まるので、最終的には先攻を祈るだけ、介入不能な正真正銘の運ゲー。ジャンケンレベルの駆け引きすら無く、 コイントスの方がマシ。 有料カードパックについて PSストアで購入できる有料パックは、パックごとにレアリティ固定かつ、価格もレアリティに比例して高くなる。 別にレアでも何でもなく高いカードは星が多くて強いという身もふたもない状況。 一定以上のレアリティが課金専用というのはソシャゲによくある設定で、「★5確定福袋」のように金額の設定に用いることも、無いわけではないが…。 レアリティの格差があるより健全…なように見えるかもしれないが、パック内のカードは選べず、「進化(超進化)済みカード」も混ざっているので、結局当たり外れのあるガチャと同じである。 パックの収録カードリストが非公開であり、紐無しバンジージャンプ同然である。目玉商品となる強力なカードの紹介、収録内容の公開をしていない点でも、TCG・ソシャゲと比べて手抜きと言わざるを得ない。 一応、「サイバーズパック★★★」「12宮天使★★★★パック」など、パック名で収録カードは大まかに分かるようになっている。CPU戦・オンライン対戦で使われたカードなら、スクリーンショットを撮ればそのカードに限り内容を知ることはできる。パックの収録数と比べれば「多少」程度だが。 「パック」と「★」の挿入箇所がズレている、カードテキストでは「☆」でパック名では「★」になるなど、細部に規則性が見られないが正式名称である。 無課金でも入手可能な星3カードは1枚100円、最高レアリティの星5カードは1枚308円。 5枚入りパックはカード1枚分程度が割引される。星5カードの場合、1枚308円→5枚入りパック1234円(1枚あたり約250円)。 + 有料パック価格一覧 パック レアリティ 1枚 3枚 5枚 サイバーズパック ★★★ 100 250 350 ケルズパック デモンズパック 電撃パック レアパック ★★★★ 200 500 750 12宮天使パック 12柱悪魔パック エージェント事務局パック ★★★★進化カードのみ封入 257 617 1,028 創世の秘蹟パック ★★★★★ 308 771 1,234 本作の販売スケジュールは以下の通り。本体+追加ストーリーは無料、パックは有料。 2014年4月22日:本体(1~5章)配信、星3パック販売開始 4月30日:6章配信、星4レアパック販売開始 5月13日:7章配信、星4天使パック販売開始 5月27日:8章配信、星4悪魔、星4事務局パック販売開始 6月3日:最終章用追加データ「追加カード画像・エンディング画像」配信 6月10日:9章+最終章配信、星5創世パック販売開始 本体には「全11章のうち第5章までを収録」と書いてあるが、本体2.7GBに対して追加ストーリー数百KBであり、アンロックしているだけ。 ただし、最終章だけは「追加画像」として300Mほどの別データが用意されている。何故それだけ別データになったのか…? カードパックの追加販売時にもゲーム本体はアップデートされておらず、元々ゲーム内に存在しているカードデータがアンロックされているだけ。厳密な意味で「カードの追加」は行われていない。 これらのアップデート対応も2ヶ月足らずの打ち切り同然の短期間で終了している。バトルにもコレクションにも目新しさが生まれるはずもなく、TCGとオンラインゲーム、どちらにも完全に劣っている。 8月19日~26日の1週間のみ「サマーキャンペーンパック」が販売されていたが、既存カードの詰め合わせで失笑を買った。 星3パックと同じ価格ながら、カードは星3~5まで、特に全種類の星5が収録されており、少々目を引いた。封入率がどうだったか、今となっては定かではないが。 同時期にSCEが『PS Vitaで基本プレイ無料のゲームを遊びつくせ!キャンペーン』を開催しており、これに合わせたものだったと思われる。SCEはもう少しまともな作品を選んだ方が良かったのではないだろうか。 同じく夏ごろに「その他調整」と称されたアップデートが行われているが、ゲームバランスの調整などは全く行われていない。 「カードパック未開封のセーブデータ」をオンラインストレージへアップロードして、パック開封後にセーブデータをダウンロードすればパックを未開封に戻せる、つまり「有料パックの引き直し≒リセマラ」ができたのだが、アップデート以降それができなくなったと言われている。 なお後述の通り、続編・別タイトルとしてのバージョンアップで一部にはバランス調整が加わっている。 その他の問題点 イラストについて 受け手のセンス・評価基準にもよるが、カードイラストの多くは商業用ゲームのレベルに達しているとは言いがたい。元のソシャゲからして業界内でもレベルは低く、コンシューマでは尚更。 その割に本作は セクシャル(性的表現) でCERO Dに指定されており、身も蓋もない言い方をすればエロ要素で釣る気満々。超進化カードで女性キャラクターの露出を増やすものが多く、全裸で体育座りさせて、髪で乳首を、足の角度で陰部を隠すだけという、かなり過激なものもある。 褒めどころ・エロの有り難味、鑑賞に耐えるものが全く無いわけではないが、両手で数え足りる程度で、とても評価点にはならない。 メインキャラクターの多くを担当している鈴木典孝氏は、1990年代から2010年代現在までアニメ業界を中心に数多くの実績がある。発注の指示内容や仕事量の多さなど、何か問題があったのだろうか。 イラストに魅力を感じずプレイを見送ったユーザーも多いのではないか?と思われるが、上述の通り、ゲーム性が破綻しすぎていて、正直それどころではなかった。 種族・属性について 「神・旧神」「火・炎」「電気・電撃」といった、種族・属性ともに紛らわしい表記が多すぎて見分けのつかないものがある上、これらを組み合わせているカードもある。 「電撃」とはKADOKAWA/アスキー・メディアワークスの「電撃」であり、「電撃パック」(『電撃マオウ』イラストレーター)のカード、『電撃プレイステーション』特典カードの専用属性である。名前を考え直した方が良い。 最大で8種類の種族のうち4種族を併せ持つ、17種類の属性のうち6属性を併せ持つ、など完全に設定の盛りすぎなカードたち。 「不死+人間+機械+旧神」という種族のあり方が疑われるカード、「物理+非実体」「光+闇+善+悪」という矛盾した属性を併せ持つカードなど、世界観との整合性を取る気を感じない設定も疑問。「光+闇」のような相反属性だけなら、よくある設定だとしても…。 カードの詳細画面での「種族・属性の表示方法」が種族名全8種・属性名全17種が文字で羅列されている中で、該当するものを色分けで表すというUI設計も劣悪。必要な情報を一見して区別できない。 無論、同じ画面にカード名、AP/HP、諸々の情報が他にも存在するのは言わずもがな。紙のカードでやるなら読めないぐらいの文字数になると言えば、この異常性が伝わるだろうか。 UI設計について 「種族・属性」の見た目でも分かる以上に、見た目でも動作でもUIの甘い作りこみが目立つ。 カードの情報は上から順に「名称」「勢力」「フレーバーテキスト(*9)」「特技」「スキル」である。 特技がただでさえ複数・長文で存在するカードは、いちいちスクロールしなければいけない。 一般的なTCGのフレーバーテキストは、効果欄と関係無い場所や、特殊効果を持たないカードにだけ書くなどの配慮で、世界観補完は二の次となるのが通常である。 文字フォントに見慣れたゴシック体・明朝体しか使われておらず、『ツクール』製のような安っぽさを感じる。 「タッチによる分かりやすい快適な操作」を謳っているが、タッチ操作にしか対応しない。画面内に表示されるボタンの大きさや反応速度も調整不足で、思い通りに操作できないことも多く、快適には程遠い。 ストーリーモードのスキップ機能は、「余裕でテキストが読める程度の速度」にしか加速しない。一方で、スキップボタンが小さく反応が悪いため、「止めるのに失敗して戦闘前にセーブができなかった」という報告も多い。戦闘を挟んでもスキップ状態が止まらない仕様も合わせて、連戦時は特に悲惨なことに。 試合中は、殆どの行動の度に5~10秒ほど演出が挿入されるため、試合のテンポは異常に悪い。もちろんカット不可。 ゴールド(ゲーム内通貨)でパックを購入する際、あらかじめ設定された購入数から選択する方式であり、自由な増減はできない。「1枚・5枚・10枚・所持金で買える分全部」の四択である。 結果、潤沢なゴールドで低額パックを購入しようとすると10パックの次がいきなり1000パック以上という加減の知らなさにも程がある有様となる。実際買う必要はほとんど無いが…。 カードの売却も同様に「1枚・5枚・10枚・全部」の四択からの選択である。また、一度売るたびカーソルがカードリストの一番上に戻ってしまうため、「必要数を残してまとめ売り」をしたい場合には異様に手間が掛かる。 誤植について 数自体は(酷いものと比べれば)まだマシだが、致命的なものがある。 電撃パック収録カードのテキストに「不二原理香」のクレジットがあるが、「不二原理夏」氏の誤植。 スタッフ・キャストの誤植は言うまでもなく非常に失礼なことだが、謝罪も訂正も行われていない。 よりにもよって最上位・最難関であるゴールドトロフィーで「イニフィニタマスター」の誤植。 "infinita strada"とは、やや馴染みの浅いイタリア語表記だが、その発音を「イニフィニタ」と表記することは、間違いなく無い。 恐らくローマ字入力で「i-nn-fi-ni-ta/インフィニタ」となるべき箇所の「i-ni-fi-ni-ta/イニフィニタ」というタイピングミス。打ち込んでみるとよく分かるが、"i"と"n"が頻出して紛らわしい。 評価点? 「基本無料」である以上、わずかながら評価点を見出す余地はあるが、以下のようなものだろう。 「Time is money/時は金なり」ということわざにもある、金銭だけが全てではない「時間の大切さ」を強く実感できる(かも知れない)。 無料で遊ぶだけでもほぼ間違いなくクソだと分かり、金をドブに捨てる可能性は低い。 とはいえ、それはそれで「見えている地雷」である。 そもそも、本作で致命的なのは「課金カードで先攻100%1ターンキル」「無料でもクソ、課金すれば更にクソ」。課金すればするほど、このゲームのつまらなさを理解させられるという点である。 総評 「有料体験版」「金を返せ」などと揶揄されるゲームは数あれど、本当に無料でもやる価値が無いゲームは、コンシューマーでは正に前代未聞。 「デッキ下限設定なしで初手積み込みできるカードゲーム」という第一印象だけでも、相当に危険な雰囲気を感じられるが、 異常に高いカードパワー、圧倒的な先攻有利のルールなど、とにかく懸念要素が散見され、最終的に「100%先攻1ターンキル」へと行き着く。 本作の問題点の数々は、多少のテストプレイや、他所のカードゲームのプレイ経験が伴えば、未然に気づけるはずの内容ばかりである。 「バランス調整に失敗した」というより「バランスを取る気が無い」と表現する方が、感覚的にも結果的にも近いだろう。 現在はバージョンアップ版・移植版で改善された部分も一応あるが、イラスト・キャラクター、デジタルカードゲーム、どれが目当てでも、市場での選択肢は非常に多い。 『ハースストーン』『Shadowverse』を筆頭に、基本無料のパック課金制・ネット対戦可能なデジタルカードゲームは多数配信されている。 実際のTCGをデジタル化したものにも、同じPSVitaで遊べる・3000円買い切り・アドホックパーティーで遠隔対戦にも対応できるPSPソフト『遊☆戯☆王ARC-V TAG FORCE SPECIAL』がある。 これらの競合タイトルにおいても、パワーカードのゴリ押しや下方修正などのバランスの悪さに振り回されることはあるだろうが、モグラ叩きに終始したり、カウンター手段すら無く1ターンキルが100%成立する本作よりはマシ。 本作より8年も前に発売されている子供向けアニメのキャラゲーである『ドラえもん のび太の恐竜2006 DS』でさえ、本作よりも本格的なカードゲームを楽しめるはずだ。 トロフィー目当てでも、複数回の対人戦を要するのものが含まれているため、過疎の中ネットで対戦相手を探す、怒らないでいてくれる友達を付き合わせる、Vitaを2台購入する……いずれにしても厳しい道のりである。 よって、本作の存在意義はほぼ皆無と言えよう。無料で遊べるクソゲー入門用題材・教材が関の山。 備考 『クソゲーオブザイヤー』(KOTY)での審議の末、2014年携帯機部門大賞を受賞。 登場当初は数値のインフレと除去が強すぎるという2点のバランスの悪さが指摘されていたが、課金させるための当たり前のものという反論、基本無料ゆえの審議の可否を問う意見もあった。しかし検証の結果、課金も含めた全カードのリストアップで除去対策が存在しなかったこと、更に100%1ターンキルが開発されたことにより「コイントスの方がマシ」という評価を決定的なものにしてしまった。 基本プレイ無料タイトルとしてKOTY史上初のノミネート 大賞受賞。サービス初期の『機動戦士ガンダム バトルオペレーション』が話題になったことがあったが、そちらは選外とされている。 通称『タダ(ターダ)』。「基本無料(タダ)」であることと『インフィニタ・ストラーダ』の後ろ2文字に注目して名付けられた。 アニメ化もされた美少女ラノベ『インフィニット・ストラトス』(IS)と語感が似すぎている上、本作と同じ2014年に、あちらのPS3/PSVita用ゲームが発売されている。 当時のKOTYでも(半分ネタかもしれないが)混同するような書き込みが見られ、『タダ』と名付けられたのは、混同しないようにする意図もあった。(『タダ』と略せることを面白がられたのも事実のはずだが) 実際に本作がその混同を狙っていたのかは、証拠不十分、与太話の域を出ない疑惑に留まる。 『IS』は2011年1月からのアニメ放送後、BDが当時の売上トップへ躍り出るなど、好評を博していた。 2012年12月リリースのソシャゲ版『無限のストラーダ』で、ロゴ画像には既に『Infinita Strada』の副題が付いていた。 本気で混同させるつもりなら、『IS』のアニメ放送から一年以内で『無限のストラーダ』を企画、リリースまで漕ぎ着けるという、かなり無理のあるスケジュールである。 PSストアでの評価は1149件平均2.55点(5点満点、2015/12/20時点)という最低ランク。基本無料とは言え、購入者しか評価できないPSストアでは異例の低得点。基本無料タイトルで見ればワースト1位(*10)。 『基本プレイ無料タイトルのトロフィー争奪戦キャンペーン』(2014年~2015年の年末年始)、『~第2弾~基本プレイ無料タイトルのトロフィー争奪戦キャンペーン』(2015年5月末~6月初旬)、2度に渡りSCEが基本無料タイトルを対象としたキャンペーンを実施していたが、本作にとっては逆効果だったと思われる。第1弾終了時の15年1月初旬時点で既に934件平均2.56点、第2弾開催中の2015/06/04時点で1047件平均2.54点を記録している。 開発元のAMGエンタテインメントは、専門学校(*11)「アミューズメントメディア総合学院(AMG)」を中心とした『AMGグループ』に属している。本作は「産学共同ゲーム作品」として制作され、在校生・卒業生がプランナー、イラストレーター/デザイナー、声優として参加している。またその縁か、伊藤かな恵氏や加藤英美里氏など、同校を卒業した有名声優も参加している。 卒業生という伝手(貸し)があるとはいえ有名声優の起用、「電撃」とのタイアップ、以前から存在していたソシャゲ版など、明らかに学生企画ではないお膳立ての形跡がある。プランナーというのも、プロデューサー/ディレクターよりも下の役職であり、基本的には商業ベースで制作されている。 在校生の非は極めて少ないと思われるが、「専門学校制作のクソゲー」という誤解が度々見受けられる。逆に言えば、そう噂されるほど本作が商業レベルに達していないということでもある。これでは宣伝として逆効果ではないのだろうか…。 ソシャゲ版『無限のストラーダ』は、GREEで2012年12月、モバゲーで2013年2月、ヤマダゲームで2013年5月から配信されていたが、いずれも14年8月下旬にサービスを終了した。 一番長いGREEでも、2年未満のサービス期間である。界隈自体に短命の傾向があるとはいえ、この状況で更にコンシューマへ参入するのは無謀だったとしか言えない。 先に述べた通り、本作はアンロックに終始して、純粋なアップデートはほぼ行わなかった。 バージョンアップ版、移植版 PSVita版はバージョンアップ予定の延期を繰り返し、他機種への移植版の方が先に発売されている。 移植版ではタイトルを『Eternal Destiny』と変更している上に、PSVita版の公式ホームページおよび公式Twiterも更新を停止して移植されていることを公表すらしていない。 これは『Eternal Destiny』=『インフィニタ・ストラーダ』=「クソゲー」という連想ゲームと風評被害の対策と思われる。 KOTYで話題に挙がったこともあり、本作について検索すると、惨憺たる有り様が広がっている。 本作を配信した同年、東京ゲームショー2014にて、『インフィニタ・ストラーダ 華』へのバージョンアップを2014年冬予定で発表。開発元のHP「AMG GAMES」に配信予定時期を掲載していたが、1年以上延期を続けた上、2016年2月からは掲載も外されてしまい、もはや完全にお蔵入り……と思われていた。 ところが2016年4月21日、『Eternal Destiny』としてSteam版の配信を開始。 販売形式が大きく異なり、日本円1000円程度+300円の有料DLC×全6回の買い切り制(総計2800円)で、ガチャなしで全カードが入手可能。 英語字幕表示の対応、『華』での登場が一部予告されていた新システム・新カードの登場、デッキ下限枚数の設定などの追加・変更点も多い。 カードに育成用の「レベル」が追加され、同カードや育成素材を使ってカードを育成する要素の追加が大きな変更点であり、カード収集RPGの趣が強い作品となった。 本作の問題点である「調整を放棄した無茶苦茶なカードバランス」も逆に無双的な爽快感を生み出しており、ユーザーからの評価は好評。 また、2017年6月まで1年以上アップデートを続けた結果、「マインスイーパーモード」やRPGツクール向け素材の配布など、Vita版と比べて独特の進化を遂げていった。 なお、2016年当時のSteamの規制に合わせ、露出度の高かった一部カードが水着を着るなど変更されている。 2018年5月22日、当初予定されていたPSVita版『インフィニタ・ストラーダ 華』が、突如として配信開始。 Steam版の好評を受けたのだろうか、発表から3年以上が経過してようやくである。 アコギな価格設定の基本無料・カードパック課金制はそのまま、ダンジョンモード用のスタミナ回復薬など新たな課金要素を追加している。 更に3年後の2021年9月30日、『THE カードバトル ~Eternal Destiny~』のタイトルでSwitch版の配信を開始。Steam版をベースに更なる追加・変更点のある「最終バージョン」とされる。 Steam版DLCを同梱して1980円の買い切りにした代わりに、時短要素としてカードパック課金制を復活採用。 あくまで時短であり、買わなくてもコンプリートは可能。また、パックに設定されたカードから任意に選択して獲得可能と、これまでと比べれば良心的と言える設計。 Steam版から更に新カード・新シナリオを追加収録。 ただしボイス無し仕様であり、既存カード・シナリオもボイスを全て削除されている。 なお、ボイスが無くなったことで、バトルのテンポは(グラフィック演出を除けば)向上しており、進化素材を求めてダンジョンを周回するゲーム性には合っている。 一人用のカード収集RPGとしてのゲームモードしか存在せず、対人戦を行えなくなっている。 もっとも、対人戦の評価は先述した通り。Steam版の時点でも過疎過ぎて実績獲得のハードルを上げており、育成要素の導入でまともなバランスも一層望み薄になっているので、後述の通りこの路線を強化するなら賢明な判断かもしれない…。 オンラインプレイ自体は、CPU相手のスコアアタック・ランキングが存続している。 Steam版では育成素材の入手の関係で星4以上のカードはレベルを上げるのが非常に難しかったのだが、高レアリティのカードにも育成素材を安定して入手する手段が追加され、更に育成の重要性が高まった。 ちなみに最高レベルは1000。ここまで育成すると星5超進化カードならAP/HPの基礎値が30000超えは当たり前。指揮官を討伐する通常形式のバトルなら、なんのお膳立ても無しに急速展開で1ターンキルが出来てしまう。対人戦が無くて本当に良かった。 特技やスキルに大幅な見直し・下方修正が加えられ、同名カードを複数集めたり一定レベルまで育成することではじめて習得可能になったり、MPが大幅増加、対象の属性を制限されるなどしている。 カードだけではなく、特技やスキルにも育成要素が追加された。本作やSteam版で猛威を振るった急速展開や除去は、この強化を経てようやく実用的な性能になる育成のご褒美的な扱いのスキルとなっている。 その他にも色違いで通常の指揮官とは異なる特技を持つ「スーパー指揮官」、同名カードでも勢力が異なり特技やステータスも全く別物の「アナザーカード」など新たな要素が追加され、カード収集RPGとしては破格のボリュームを誇る。 総合的に、無料でもやる価値がないとまで評された本作と違い、作業ゲーが好きなプレイヤーからはSteam版と同じく評価されている。 D3パブリッシャーからの配信で「THE」の名を冠しているが、SIMPLEシリーズとは一切関係ない。
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ルイザ・グロス・ホロウィッツ賞クイズ 【るいざぐろすほろうぃっつしょうくいず】 ジャンル クイズゲーム 対応機種 Android 4.1以上 発売元 株式会社baton 配信開始日 2020年2月3日 定価 無料 プレイ人数 1人 レーティング 3歳以上 判定 クソゲー ポイント 二択クイズ一問に答えるだけの「ゲー無」YouTube動画視聴前提の「内輪ネタゲー」 QuizKnock関連作品AstroCleaner / 限界しりとり / ホロウィッツ賞クイズ / Wallprime / Tonguess / 人狼将棋 / SprintShout /超換気 / 白地図マインスイーパ / リーガル・ジャーナル / 漢字ダッシュ / MINE BLOCKS / QKS 概要 開発経緯 ゲーム内容 問題点 評価点 総評 余談 概要 テレビ番組『東大王』などで知られる伊沢拓司が代表を務める、YouTuber・テレビタレントとして人気のクイズ集団「QuizKnock」によって開発されたクイズゲーム。 「ルイザ・グロス・ホロウィッツ賞」とは、1967年よりコロンビア大学で選考が行われている、生物学・生化学において多大な貢献をした研究者に贈られる賞であり、Google Playストアのページでは「このアプリをマスターするだけで全ての日本人ルイザ・グロス・ホロウィッツ賞受賞者を網羅できます!」とアピールしている。 開発経緯 このゲームは、QuizKnockメンバーの1人であるふくらPが自ら開発・リリースを行なっている。 「何らかのチャレンジで誰よりも高得点を取ったら優勝」という動画企画において、「とにかく高得点を取れるゲームを作ること」を目的に開発しており、クイズゲームとしての品質は度外視されている。 + 動画 即ちこのゲームはクイズゲームとして遊ぶことを想定していない「内輪ネタゲー」であり、QuizKnock視聴者にとっては「バカゲー」のような存在となっている。 しかし、単体のゲームとして見た場合だとおバカな要素は無きに等しく、開発経緯を考慮せずに手に取った場合はとてつもない「ゲー無」となっていることがわかる。 ゲーム内容 スタート画面をタップすると、クイズの画面に移る。 「生物学や生化学の研究者に贈られるルイザ・グロス・ホロウィッツ賞を現在、日本人で唯一受賞したのは誰?」というクイズであり、選択肢に「利根川進」と「木村資生」の二択が表示される。 正しい選択肢をタップするとクリアとなり、スコアとして「1不可説不可説転点」を獲得できる。 + 解答 「利根川進」が正解。 結果画面をタップすると、スタート画面に戻る。 以上。 問題点 たった一問の二択クイズに答えて終わりという中身の無さ。 無料のクイズゲームとはいえ、あまりにも「ゲー無」である。 「全ての日本人ルイザ・グロス・ホロウィッツ賞受賞者を網羅できます」という宣伝文句だが、これは「ルイザ・グロス・ホロウィッツ賞を受賞した日本人はリリース時点で1人しかいないため、クイズも一問しかない」というジョークである。 また正解したとして、その人物がどのような功績でルイザ・グロス・ホロウィッツ賞を受賞したか等の説明は一切ない。(*1) ユーザーの目に優しくない背景色。 本ゲームを構成する4画面全ての背景色が、ビビッドカラー単色となっている。 そして文字は黒の単色であまり大きくないためかなり見づらく、よく見ようとすると背景色で目がやられてしまう。 他のQuizKnockメンバーからも「マゼンタそのまま貼るのやめろ」とツッコまれている。 クイズ画面の「利根川進」と「木村資生」を同時にタップすると、正解画面の上に不正解画面の文字が重なって表示されるバグが存在する。 評価点 クイズそのものの出来は良い。 ルイザ・グロス・ホロウィッツ賞を受賞していないもう一方の人物は、イギリスの生物学賞「ダーウィン・メダル」を日本人で唯一受賞した集団遺伝子学者である。 「世界的に有名な生物学賞を、日本人で唯一受賞している」点では共通しており、クイズプレイヤーにとっては誤答を誘う選択肢となっている。これには伊沢氏も「無駄に手が込んでる」と評している。 ゲーム史上類を見ないスコア設定。 クイズに正解すると得られる点数「1不可説不可説転」とは、仏典『華厳経』に登場する実在の数詞であり、 10の37218383881977644441306597687849648128乗 、つまりおよそ 10の37澗乗 である。 音楽ゲームや弾幕系シューティングゲームのスコアがたとえどれだけインフレしても、この点数に到達することは永遠にないだろう。 もっとも、1不可説不可説転点を獲得したとして、画面に「クリア 1不可説不可説転点」と投げやりに表示されるだけであり、ハイスコアを競うような機能もないため、「だからなんだ」という話にはなる。 総評 『限界しりとりMobile』や『白地図マインスイーパ』など、QuizKnockがリリースしている他ゲームと比べると、本作は格段にクオリティの低い「ゲー無」となっている。 ただ、前述の経緯の通りこのゲームはYouTubeの企画ありきの「内輪ネタゲー」であり、その価値はゲームの面白さとは異なる部分にあるといえる。 「楽しいから始まる学び」というQuizKnockのコンセプトを考えると、動画とゲームを通じて「ルイザ・グロス・ホロウィッツ賞」及び「不可説不可説転」の存在を学べることに真価があるのかもしれない。 余談 開発にはUnityが 無駄に 使われている。 iOS版の配信も準備していたが、コンテンツが不十分であることを理由にAppleから却下されている。 「1不可説不可説転」はこの世に実在する最も大きい数詞という訳ではない。それ以上の数を表す数詞として、例えば 10の(10の100乗)乗 を表す「グーゴルプレックス」という数詞が存在する。「グーゴルプレックス」は検索エンジン等で知られる「Google」の名前の元ネタでもある数詞「グーゴル」を拡張したもの。 ただし、「1不可説不可説転」は前述の通り4世紀頃の仏典を根拠とする古来の数詞であり、半ばジョークの意味合いもある他の巨大な数詞(巨大数)に対しての正統性はある程度感じられる。 内輪ネタゲーなだけあって、Google Playストアでの平均評価は最高の★5.0となっている。 このゲームによって、ふくらPは前述の企画で優勝している。 また、QuizKnockメンバーの1人であるこうちゃんは『太鼓の達人 グリーンVer.』で獲得した約36万点を同じ企画内で提示したところ、最下位となった。